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キャッシュレス決済について①

平松拓 企業財務管理、国際金融

19/08/29

最近、コンビニエンス・ストアなどで、スマホを提示して支払いをしている光景をよく見かけるようになりましたが、日本でもこのところ現金以外の支払い(キャッシュレス決済)手段が多様化し、従来以上に身近なものになってきています。今日はデジタル技術により拡大するキャッシュレス決済を採り上げます。

現に私も、これまで利用して来たのはクレジット・カードと鉄道系及び流通系の電子マネーぐらいでしたが、最近スマホを使って決済するチャット・アプリのペイメント・サービスも使い始めました。というのも一つには、商売柄、「決済手段」と呼ばれるものについてはあまり遅れることなく理解・体験しておきたいと思っていることがありますが、直接のきっかけは、最近、QRコード決済の提供業者が巨額の予算を使って行っているポイント還元サービスで、これを機会に利用してみようという気になりました。

キャッシュレス決済といっても、昔からの小切手や送金決済、口座引き落としなども含め様々ありますが、この内クレジット・カードは、大金を持ち歩かなくても値の張る買い物ができるとか、海外に出かけた時に外貨がなくとも買い物ができるといった利便性があります。また、代金の銀行口座引き落としが一定期間猶予される「ポスト・ペイ方式」をとっており、且つ、一括払いばかりでなく、分割払いも簡単に選択できます。さらに、決済に使えば溜まるポイントで景品や航空会社のマイレージポイントなどがもらえることも魅力となっています。しかし、一方では、ポスト・ペイであることから、使い過ぎには注意が必要です。

これに対して、電子マネーは交通機関やコンビニ、外食チェーンなどでの少額決済に便利な決済手段です。小銭を持ち歩く必要がなく、カード1枚機械にタッチすることで決済がその場で済んでしまいます。さらに、1P(ポイント)につき1円という形で、次回以降の支払いに利用できるポイントが溜まるサービスもあります。しかし、「プリペイ方式」なので予めカードに現金をチャージしておく必要があることに加え、セキュリティ上の理由からチャージできる金額に2万円とか5万円の上限が設けられ、クレジット・カードのように大きな額の支払いには適さないという制約があります。

ポスト・ペイとプリペイの中間に当たるのが、「リアルタイム・ペイ方式」で、決済に用いると即座に銀行口座から引き落とされるデビット・カードがその方式です。海外では広く普及していますが、日本ではクレジット・カードが「ポスト・ペイ方式」という点で違いはありますが同様に口座自動引き落としになっていることや、銀行ATMの利便性が高いことなどからあまり普及していません。

これ等は少し前からあったデジタル決済の方法ですが、さらに、最近注目を集めているのがスマホによるペイメント・サービスです。スマホに決済アプリをダウンロードし、事前に銀行口座やカード番号などの資金源を登録し、そこから資金を移動しておきます。支払いに使う時にはアプリにログインし、店との間でQRコードやバーコードを読み取って決済するというものです。私が使っているのは電子マネーの一種で、事前に現金チャージが必要なプリペイ方式ですが、リアルタイム・ペイ方式やポスト・ペイ方式のものもあります。同じプリペイ方式ではあっても、これまでの電子マネーでは、利用者が現金をチャージしたマネーや決済に利用して獲得したポイントは鉄道や店舗等での支払いに限られ、一回そこで使われると消滅していましたが、このスマホによるQRコード決済では、友人間の送金などにも用いることができ、そこで転々流通することも可能となっています。

こうしたスマホ決済については、ネット企業や通信企業によるものが先行していましたが、流通業界からも参入の動きがあり、さらに、銀行系も参入を表明するなど乱立状態となっています。中には消費者や小売店の取り込みのために数百億円といった巨額の残高、ポイント還元をしているところや、併せて通常は決済に使うと発生する小売店側の手数料の無償化キャンペーンを行っている所もあったりします。こうした利用者獲得競争のお陰でお得感が生まれてはいるものの、基本的には事業者毎に読み取るコードが異なることから、利用者は買い物する先の店舗が加盟している決済サービスに合わせて異なるアプリにログインしなければならないなど、現時点では利便性に限界があります。そのため、加盟店開拓で決済手段提供者同士が提携したり、QRコードを統一化する動きも出てきており、今後、集約化などを通じて利便性が一層高まることで、普及に拍車がかかることが期待されます。

日本では既にクレジット・カードの保有が一人あたり3枚にも達しており、また、鉄道系の電子マネーカードも発行枚数では人口を遙かに上回っています。こうした中で、新たなコード読み取りによるスマホ決済が、今後どれだけ利便性を高め、どれだけ普及することになるのかが、大いに注目されます。

まとめ:キャッシュレス決済の一環として、従来から普及しているクレジット・カード決済や電子マネーに加え、スマホを利用したコード読み取りによる決済が新たに広がりを見せています。まだ勃興期の乱立状態にあり、派手なキャンペーンに目を奪われがちですが、今後、普及とともに、集約化や規格統一化などを通じて、真の利便性向上につながることが期待されます。

分野: ファイナンシャルマネジメント |スピーカー: 平松拓

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