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ビジネスを学ぶ面白さ②学ぶ理由2

廣瀬 聡 企業家リーダーシップ

19/08/02

前回は、私がなぜグロービス経営大学院でビジネスを教える立場になったのかについて、そのきっかけとなった現場の方々のビジネスを学ぶ姿勢についてお話ししました。
今日は、私が見た日本と海外の経営者のレベルの違いについてお話しします。
私はアメリカやヨーロッパ、シンガポール、ソウルで仕事をした経験があります。私は、MBAを取得後、当時働いていた銀行に頼んで、アメリカの大手金融機関の経営者5・6名にインタビューをさせていただいた経験があります。今日は、その時に感じたことをお話します。

この経営者の皆さんは経営学をしっかりと学ばれていて、理論と実践をある意味で血肉化して、大きな会社の事業経営をしているということを如実に感じる言葉を幾つも聴くことになりました。

まず私は、様々なヒアリングを行っていきました。例えば「どういう事業をやっていますか」、「その事業上手くいっていますか」などです。すると次のような答えが返ってきました。

『私自身はこのビジネスのリスクとリターンをこのように定義して、こういう風に定量化しています。そして、自分としてはこのリスクとこのリターンのバランスの中でこのビジネスを選択しています。それを組織の中に普及させていく為に、こういう制度を入れ、こういうシステムを入れて、そして対応する為にはこういう人達を自分達のビジネスモデルに合うように自分達の採用基準を定めて採用しているんです』

極めて理路整然と、経営のメカニズムをしっかりと数字とそれからロジックを使いながらご説明をされることに、大変強い印象、正直に言うと感動する体験をしました。実は、多くの日本の会社においては、人事畑或いは経理畑、営業畑など、それぞれの部門をずっと駆け上がってきた人達が最終的に役員、或いは最終的には副社長、そして社長になる、といったキャリアプランで出来ています。
しかし、私が見た大手金融機関の経営者達は、いずれも何かの畑を出ているわけではなく、戦略と組織と人事と制度とインフラ全てを繋いでいくための企業文化をメカニズムとしてきちんと自分の中で思い描いている。そして、それを実現するためには短期はこれで、長期はこれだというプランをしっかりと自分の中で考えられていて、かつそれを自分で決めることができ、実際に実行しているという点に強い印象を受けました。
当時私がいた銀行界は、当時の大蔵省の主導の下に全体最適、(国の方針に沿った形で自分達の経営をしていく)、一部の方は護送船団方式という言い方もしますが、自分で考え自分でリスクをとり自分でビジネスをやるというような姿勢が必ずしも定着していない環境でした。

ある経営者が次のようなことを言っています。
"I don't like this business. So, I will withdraw from this business."
( 私はこの事業は好きではない。好きではないというのはどういうことかというとリスクとリターンで見合わない、だから私は直ちにこの事業から降りる。)
実際にこれを聴いた直後にこの会社は特定の事業から撤退しています。
こうしたある意味で合理的、ある意味ではトップダウンの経営をアメリカの経営者はやっているということです。

決して日本の会社全部が出来ていないわけではありません。例えば世界で活躍されているトヨタ自動車や日立、コマツ、YKKといった代表する企業の経営者の方々など日本でも世界で戦えている会社というのはきちんとした経営者がたくさんいらっしゃいます。しかし、やはり規制された産業、私が当時いた銀行の業界というのは、本当の意味でリスクをとって自分で決断するという経営者が一体どれだけいたんだろうかと考えてしまいます。戻って考えると、勿論良い会社は日本にもたくさんあるわけですが、経営者であるために必要なスキルセットとは何かをちゃんと決めて、それを自分が身に付けるような努力、準備、工夫を会社の規模に関係なく、若い時からした方が良いのではないかと思います。会社の中で上司に好かれ、そして昇進をしていくということは大切ですが、おそらく20年後、30年後経営者になった時にどういうスキルセットが必要か、そんな観点で自分のスキルを身に付けていく努力を今から始めても遅くないのではないかと思っています。

では、今日のまとめです。
特に若い社会人の皆さんには「経営者になる為には準備が必要だ」ということをお伝えしたいです。20年後、30年後を見据えてしっかりと体系的に学ばなくてはなりません。その為には時間も投資も必要です。今からしっかりと取り組んでより強い会社を作り、より強い国を作り、家族と従業員皆が幸せになるような、そんな経営を皆で作っていければと思っています。

分野: 企業家リーダーシップ |スピーカー: 廣瀬 聡

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