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幸福・成功のための哲学20一切唯心造②

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

19/07/23

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(Peace and Happiness through Prosperity=PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

―切唯心造の続きー

1 一切唯心造
 人生の法則の第5は、「一切唯心造の法則」である。これは、人生においてすべてのものは心によって創りだされるということ、すなわち心の姿勢が人生のすべてを支配し、創り出しているという生き方の根本原理を示すものである。したがって、これは、成功し幸せになるために、非常に重要なものである。

2 明確な思考・目標・志
 人生は、自分の信じるようなものになる。それゆえ、成功や幸せになるためには、具体的で明確な思考すなわち強い思いが必要である。曖昧で弱い思考では、曖昧な結果しか生まれず、大きな成果は期待できない。それゆえ、人生において具体的で明確な志や目標を設定することが大切である。これは、丁度、太陽光線を虫眼鏡で集めて、一点に集中させ、火をつけるのと同様である。すなわち、具体的で明確な目標に向けて日々努力を重ねていくこと(選択と集中)が、より良い成果を導くこととなる。
 人生における人生計画の策定は、一般には、哲学→ビジョン→計画という形で明確化される。まず、最も根本的なものは、人生や社会などに対する正しい哲学(人生観・社会観など)を持つことであり、それに基づきビジョンや具体的な計画を策定していくこととなる。

3 三断力、6自の精神と6思力
(1) 三断力
 人生は、自己の思考による「選択と行動」(ないし「思いと行動」)の連続なので、成功や幸せになるためには、正しい判断(選択)、決断及び断行という三つの力(「三断力:判断力・決断力・断行力」)が必要である。このうち最も大切なのが、正しい思考に基づいた正しい判断である。この場合、この判断は、行動の方向性を決定するので、その結果に対して「自己責任」を伴う。そして、この正しい判断(選択)に基づき正しい決断と最後までやり抜くという断行力が成功や幸せをもたらす。なお、思ったことが本当に実現するための要件として、まず正しいことを強く思うこと、そしてたとえ時間がかかっても最後まで諦めずに積極的にやり抜く断行力が必要である。

(2) 考え方と六自の精神
 思考は、人生を創るという場合、「どのような精神で思考すれば良いのであろうか」。この場合、幸せで成功した人生を送るために、物事を考えるときに、図表1のように、「自由、自主、自立、自律、自尊及び自燈」という自己が持つべき六つの精神(「六自の精神」)が必要である。

図表1 六自の精神
happiness20-1.png

 すなわち、人生を考える上で最も前提となるのが、天から与えられた自己の個性を生かすために、強制ではない自由な心により「自由」に考える、ということである。この場合、何を自分の志や目標とするかは、他者に依存しない「自立」した自己を前提とし、深い理性に基づいて、「自律」的に考える。そして、チャレンジ精神を発揮し、神仏や他人に頼るのではなく、「自主」的に考え、積極的に行動する。この場合、自分自身を尊敬・尊重し、自己に対する誇り(「自尊」)を持ち、自己(そして他者)を大切にし、自らの進むべき正しい道を、自分を燈火(「自燈」)として照らし出していかなければならない(「自己リーダーシップ」)。

(3) 思考法と六思力
 心が人生を創るので、日常において常に正しい思考や選択(判断)を行わなければならない。この正しい判断を行うために必要とされる六つの思考法(「六思力」)が、図表2のような本質的・長期的・多面的・全体的・倫理的・無我的な思考法である。

図表2 六思力
happiness20-2.png

 まず、物事を考える場合に、短期的な視点ではなく、「長期的」な視点から考えること(長期的思考法)が大切である。なぜならば、短期的なものと比較して、長期的な方がより持続的で、安定的で、より正しく適切な答えが見出せるからである。これに関して、日本人は昔から一般に長期志向であるといわれている。
 また、物事は、個別的に細分化して個々バラバラに見るのではなく、一歩引いて「全体的」な大きな視点から、全体のバランスを保った形で考えること(全体的思考法)が大切である。このように、全体的に考えることによって、全体として調和がとれ、より安定的で、正しい判断が行える。このことに関しても、日本人は伝統的に優れた資質を持っている。
 そして、物事は、一面的に一つの観点から見るのではなく、「多面的」に多くの観点から考えること(多面的思考法)が必要である。なぜならば、これによって偏りを排除でき、よりバランスのとれた、安定的でより正しく好ましい判断が行えるからである。
 さらに、物事は、表面的に見るのではなく、より深く「本質的」な観点から考えること(本質的思考法)が大切である。これにより根本的な解決策などを見出すことができる。
 また、物事は、「倫理的」な観点から考えること(倫理的思考法)が大切である。すなわち、因果律、本心良心や善悪などの観点から倫理的・道徳的に考える。これにより、社会に迷惑をかけず、反対に社会へ貢献できる正しく適切な判断が行え、その結果として幸せで成功できるからである。最後に、エゴ的(自我的)な観点から行うのではなく、非エゴ的(無我的)な観点から考えて判断すること(無我的思考法)が大切である。なお、倫理的思考法や無我的思考法は、あまり一般的ではないが、成功し、幸せになるためにより正しい判断を行うためには、必須である。
 これらの思考法を活用して得られる結論は、そうでない場合と比較して、より正しい判断となり、より大きな成功や幸せを導いてくれる。

4 むすび
 成功・幸福のための哲学においては、成功し、幸福に生きるために、「自他一如」で生きることが大切である。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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