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リーダーシップは型から入ろう④ 型(3) 実行する

芹沢宗一郎 組織・リーダーシップ研究

19/07/12

「リーダーシップは型から入ろう」というシリーズでお話しています。リーダーシップに必要な要素には、「行動」「能力」「意識」の3つがあります。前々回から「行動」にフォーカスを当て、「行動」を4つのプロセスに分けて紹介してきました。1つ目のプロセスは「目標をまず設定してそれをどう共有するか」について、2つ目のプロセスは、「目標を達成するための計画の立て方」についてお話ししました。3つ目の今日は「立てた計画を実行するポイント」についてお話しします。

実行段階のポイントとして、任せ方をどうすればいいか、そして「不測の事態が起こった時にリーダーはどう対応したらいいか」という2つに焦点をあてお話しします。

まず、前者の「実行段階の任せ方」から考えていきましょう。
皆さんがリーダーの立場だった場合、メンバーに対してどのようなスタンスで臨みますか。

前回、計画を立てる際にも、リーダーはサポートしながらもある程度メンバーに任せて計画を立てさせた方が、結果的にメンバーの実行段階のコミットも高くなり、メンバー自身も成長するという話をしました。その流れからすると、基本的に計画はメンバーが立てているため、計画通りに実行することがメンバー一人一人の責任だという自覚を持たせ、極力リーダーはメンバーに実行を任せてあげた方がいいです。ところが、なかなかそうはいきません。有事の時にリーダーが介入することはよいにしても、「平時の過干渉」と言う言葉がありますが、平時の時にもリーダーが口出しをしてしまうケースが多々あります。ここは我慢することが一つ目のポイントです。

しかし、「干渉しないように」とは言っても、リーダーとして都度状況を把握しておく必要があります。計画段階で握ったプロセス通りに実行出来ているかどうか、何か不安や悩みがないか、定期的にメンバーとコミュニケーションをとることは必要です。指示命令型で関与してしまうと過干渉になってしまうため、あくまで計画通りに出来ているかどうかを見守ってあげるというスタンスが大切です。

続いて「不測の事態への対応」について考えていきましょう。
当然計画策定段階で、実行面のリスクとそれが起きた時にどういう対応をしたらいいかについては、ある程度事前に検討しているはずです。しかし、今の時代は変化が非常に激しいため、想定していなかった不測の事態はいくらでも起こりえます。そのような場合、リーダーとしてどう対処すべきかについてしっかりポイントをおさえておく必要があります。
ポイントは2つあります。
1つ目は、まず「事態を早く収拾させること」です。2つ目は「今後に向けた改善」です。これをしっかり手順を追ってやっていきます。
まず「事態を早く収拾させること」について。計画立案や実行をメンバーに任せたとしても、最終責任はリーダーにあります。リーダーはまず火消しに入らないといけないといけません。発生したトラブルをまず収めるということが最優先です。ここでリーダーが逃げてしまうとメンバーからの信頼は失墜します。ここで収め方を間違うと余計火が大きくなってしまいます。逆に収め方を上手くすると、この事故が逆にお客さんとの信頼関係を強固にする機会にもなりえます。この収め方が非常に大事です。
事態をしっかり収めた上で、今後同じような事が起こらないように具体的な改善策、再発防止策を整理する必要があります。どうしても何か事故が起きると、個人の責任追及に意識がいってしまいがちです。しかし、事故というのは、組織が持っている構造的な問題が原因で起こる場合が多いです。まずは個人の責任追及よりも、どういう構造的問題によってそういう事故が起こったのかということを深く分析することが大切です。その上で今後の具体的なアクションを考えていきましょう。ここはやはり具体性が必要になってきます。

では、今日のまとめです。
リーダーは、計画段階で握ったものを実行する責任はメンバー自身にある、という自覚を促す必要があります。そして、実行段階でのリーダーの関与は、過干渉にならないように見守ってあげる姿勢が大切です。不測の事態では、まずは早く適切に事態を収拾した上で、今後に向けた改善策を具体的に整理する必要があります。

分野: リーダーシップ 組織マネジメント |スピーカー: 芹沢宗一郎

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