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幸福・成功のための哲学⑩

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

18/12/25

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。
 前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。
 他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

―因果律の続きー

1 因果と因縁果との違い
 因果律は、ともするとその名前から因果が直接に対応しているかのような印象を受けるが、それは正しくない。そこで、「因果と因縁果との違い」を説明したい。 前者の因果は、「因=果」という直接的な関係で示せるものである。例えば、雨が降れば、湿度が上がる、というような場合には、この関係が導ける。これは、形式論理学的な直接的な因果関係を意味している。しかし、因果律は、因果関係ではなく、「因+縁=果」という間接的な関係を示しており、原因と結果とは直接的には結び付いていない。そこには、縁すなわちその時の条件ないし環境が介入し、結果に大きな影響を与えている。例えば、受験勉強を頑張ったからといって、必ず大学などに合格できるとは、限らない。どれだけの受験倍率があるか(縁)によって、倍率がほとんどない場合には、容易に合格できるであろうが、反対に何十倍もの倍率がある場合には、かなり難しいであろう。
 このように、人生では、縁の影響は極めて強力である。そこで、人生においては、自己の努力とともに、他の人々などとの縁を大切にすることが非常に重要である。

2 一期一会:縁の大切さ
 この世の中は、全体性の観点からいえば、自分だけが分離孤立して別個に存在しているのではなく、様々な人々や環境に影響され、また影響しながら存在しているというのが事実である。このように、人生とは様々な出来事や人々との出会いの連続である。その中で最も重視すべきものの一つが他の人々の不思議な縁である。昔から「袖振り合うも多生の縁」、「一期一会」とか「出会いは人生の宝」など様々なことが言われてきている。他の人とのワクワクした出会いを大切にし、それを逃さずに大切に大きく育て(「縁の育成」)、その縁に従って生きたい(「随縁」)ものである。なお、人との「出会いを生かすためのルール」としては、まず相手の立場に立って、できる限りよい答えをすること、また「頼まれごとは試されごと」と心得ること、そしてできない理由ではなく、どうすればそれができるのかを考え、できることから行動することが大切である。そして、他者からの頼まれごとが増えれば、増えるほど、運が良くなる。つまり、運は自ら変えられるし、このように引寄せ、切り拓くこともできるのである。このように、「運がいい」とは、ここでいう「縁がいい」ということに言い換えられる。

3 有縁と無縁
 なお、縁には、周知のとおり有縁と無縁の二つのものがある。すなわち、縁があることが「有縁」であり、反対に縁がないことが「無縁」である。なんでも縁があればよいかというと、そうでもない。反対に縁がない方が、好ましいものも数多く存在する。例えば、バラの花が育つとき、花や葉を食べる虫やカビ類あるいは台風などに遭わない方がよい。すなわち、これらについては、無縁の方がバラにとってはよいのである。これと同様に、人生において社会や自己にとって悪いことは行わないこと、つまり悪運を引寄せないことが大切である。反対に、十分な雨が降ったり、土壌が豊かであったり、日光が良く当たるなどの良縁は、有った方がよい。

4 時節因縁
 この因果律に関連して、もう一つ重要なことがある。それは禅などで一般に言われる「時節因縁」である。これは、因縁が熟する時がいつか必ずやってくる、という意味である。昔からの諺に、「石の上にも3年」というものがある。これは、最初はなかなか上手くいかないことでも、長い間色々と創意や工夫をしながら努力すれば、上手くいくようになるとか、つらいことでも長い間我慢していれば、よいことがある、というような意味である。例えば、サッカーや野球などのスポーツでも、お茶やお花などの習い事でも、最初は上手くいかなくても、長い間色々と創意や工夫をしながら努力を続ければ、きっと上手くなれ、報われるであろう。反対に悪い方の例を挙げれば、すりや空き巣などの犯罪も初めのうちは、捕まらないこともあるが、それを続けているうちに、因縁が熟して、結局最後には、逮捕されるということとなる。すなわち、因果律は、縁として必要な状況や人間と出会う共時性を作り出していく力を持っている。

5 むすび
 成功・幸福のための哲学においては、成功し、幸福に生きるために、「因果律」に従って生きることが大切である。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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