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幸福・成功のための哲学⑨

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

18/12/24

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。
 前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(Peace and Happiness through Prosperity=PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。
 他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

1 因果律の意義
 人生の法則の第1で、最も重要なものは、「因果律」である。これは、「因縁果の法則」や「縁起の法理」とも呼ばれ、ある原因(因)と何らかの条件や環境(縁)とが結びついて、一定の結果(果)が生じるという法則である。
 より具体的には、例えば、春に西瓜の種を播き、芽を出し、葉を広げ、雨・栄養・気温・日光という環境に恵まれて、夏に大きな西瓜が育つというものであり、向日葵の種を播けば、向日葵が育つというものである。反対に説明すれば、西瓜の種を播いて、向日葵の花は育たない。向日葵の花を見たければ、向日葵の種を播き、大切に育てることが必要であるということである。それゆえ、これは、誰でもが納得する科学的な法則である。すなわち、これは、過去の考えや行動の結果が現在の状態であり、現在の考えや行動が将来の結果を創っていくというものである。

2 因果律の根拠
 幸せな人生を送るためには、この世の中に生じている現象の発現する法則や原理を理解しておく必要がある。そして、因果律は、どうして現在の現象が生じているのかを、その直接的な原因(因)とそれを取り巻く条件・環境としての間接的な原因(縁)によって説明するものである。このように、すべてのものは、因と縁によって起こり、変化し、そして滅する。
 なお、たとえその因は一つであったとしても、縁は通常複数あり、それらが複雑に絡み合って、全体的な結果としての現象を生じさせている。それゆえ、縁(条件や環境)の変化によって、結果も当然大きく変わってくる。例えば、同じH2Oでも、現実の現象としては、その時々の縁に従って、常温時では水に、100度で蒸発して水蒸気に、また氷点下では氷や雪というように、全く異なった形態のものに変化する、というようなものである。しかも、どのような現象として顕現しても、その実質はH2Oということで変わりはないのである。

3 因果律の位置づけと機能
 このように、因果律は、小学生でも知っているような極めて初歩的で基本的な法則であり、西洋でも東洋でも一般に受け入れられている極めて科学的なものでもある。と同時に、人生を支配する最重要な根本法則でもある。しかも、これは、人生のみならず、あらゆる現象を説明することができる極めて適用領域の広いものでもある。

4 善因善果・悪因悪果
 これをもう少し哲学的・倫理的に説明すると、「善因善果・悪因悪果」すなわち善いことをすれば善い結果となり、悪いことをすれば悪い結果となる、ということである。つまり、善い考えと行動が幸せで善い人生を創り、悪い考えと行動が不幸で悪い人生を創る、ということである。すなわち、これは、一般に「因果応報」や「自業自得」として知られ、非常にプリミティブな基本法則であり、人生において最も重要なものである。それゆえ、現在の自分は、良くも悪くも、過去の自分の因縁の結果であり、自分の責任である、ということを意味している。なお、ここで「善」とは、本心良心から発せられる普遍的に誰から見ても正しいこと、公正なこと、優しいことや純粋なことであり、より具体的にいえば、例えば、自己本位ではなく、お互いに平和で、幸せに暮らせるように、他を思いやる心、やさしい心などから行われるもののことである。
 このように、因果律に従い、これに調和して生きることは、単に「幸せになれ、成功する」というポジティブな側面のみならず、同時に犯罪などの悪いことを行わないことによって「自己の身を守る」(保身)という健全性やリスク・マネジメント(ネガティブの防止)の側面にも繋がる。
 なお、ここでの善悪の判断基準は、常識、習慣や規則というような外的で他律的なものではなく、より普遍的な人間として何が正しいのか、すなわち本心良心という内的で自律的なものである。このように、生きていくうえでの善悪の判断基準が道徳(モラル)であり、倫理(エシックス)である。また、その善い方の根本に深い理性としての本心良心がある。そして、善き人生を送るための秘訣は、いかなる時も常に、自己の魂に従って、自他一如の観点から慈愛を動機ないし起点とし、本心良心を判断基準として善いことだけを考え、行動することである。
 ☞ より「具体的」には、松下幸之助の「社会全体の繁栄・平和・幸福(PHP)に貢献するものを善」その反対を「悪」とするのが分かり易い。

5 むすび
 成功・幸福のための哲学においては、成功し、幸福に生きるために、「因果律」に従って生きることが大切である。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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