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イギリスの歴史(49):戦後の首相

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

18/11/30

今日はイギリスの歴史シリーズです。大分長い事させていただいていますが、今日は戦後の話の中の1つとして歴代の首相にどのような人がいたかという話を追っておきたいと思います。

第二次世界大戦の終わる頃、その直前は非常に有名な首相ウィンストン・チャーチルです。例の大きな顔をして葉巻をくわえたら似合いそうなおじさんです。この人は保守党の方でしたが、戦後しばらく名前に「サー(Sir)」が付く人が続くので、彼の場合も、サー・ウィンストン・チャーチルと言います。これはどのような意味か分かりますか。称号で、貴族ということです。しばらくと言いましたが、戦後60年代初めくらいまで「サー」の付く人が多かったです。その後とんと無くなり、時代として貴族の人が政治する時代でもないだろうという雰囲気になったのでしょうか、途中から無くなりました。
このウィンストン・チャーチルという人の話は前にも出てきたので細かいことはやめますが、戦後は、みなさんも覚えていると思いますが、労働党が高福祉政策を掲げて登場しました。これは第2次世界大戦で疲弊した人々が「もうこんな大変な事は嫌だ」ということになったので、高い福祉政策をもった政党が選ばれました。当時はアトリー内閣と言いました。懐かしいと思う方と、知らないという方いらっしゃると思います。アトリー内閣労働党、この内閣は前もみた通りで、色々な企業の国有化し、それから国民健康保険を作り、様々な福祉政策をした人と、みなさん覚えていると思います。その次に、実は保守党にまた戻る時代がきて、またサー・ウィンストン・チャーチルが50年代の前半を首相を務めています。この後、互い違いではありませんが、保守党と労働党が入れ替わりです。
今はみなさんご存知の通り、メイ首相は保守党の人です。今後また労働党が政権をとらないとは限りません。向こうの二大政党制は、本当に隙あらば取って変わるという形で、お互いが拮抗している状態で戦後ずっとやってきました。50年代前半のサー・ウィンストン・チャーチルの後、保守党の人が何人か続き、僕も実はまだ生まれていない頃の話なので名前だけ上げておくと、チャーチルの後がイーデン首相、その次がマクミラン首相、その次がダグラス=ヒューム首相です。
世の中はその間に色々な風に進んでいましたが、イギリスは段々そのイギリス病と言われて、英国病といった方が良いかもしれませんが、段々その経済的に行き詰まりが出てきた時代ということはご存知だと思います。その中で、保守党がなっても労働党がなっても中々その経済運営が上手くいかない中で、労働者のストライキが起きるなど凄く行き詰まりの時代を迎えていたということになります。そのようにして、社会が不穏になると、より一層そのとっかえひっかえの政権ということになりやすくなってきて、さっきのダグラス=ヒュームの後は60年代の後半になりますが、今度は労働党でウイルソンという首相が登場します。
それが今度しばらく続くかというとそうでもなく、70年代前半になると、今度は保守党のヒースがきます。この辺りは世の中も騒然としていて、アイルランドの闘争などもこの辺りは非常に大変になってきて、後で登場するサッチャーも一度爆弾テロに未遂ですが、あってるぐらいなので国内は非常に荒れてた時代でストライキもゼネラル・ストライキが行われて、大変なことになっていた時代です。
その後、70年代半ば、今度は労働党のウイルソンです。この人は実はイギリスがEECの枠組みに残るかどうかという国民投票をして残留を勝ち取ったことで有名ですが、あまり長い首相生命ではありませんでした。その後も労働党でキャラハン、この辺りになると少しずつ名前が知っているかなという感じですが、多分皆さんはその次の1979年から12年くらい首相を務めた保守党のマーガレット・サッチャー、こうなると「あ、名前知ってる」という形になると思います。
サッチャーという人は、イギリスでは鉄の女、いや世界で鉄の女と呼ばれています。次回はそのサッチャーの話に進めていこうと思います。この人が生まれてきた背景の一番大きな所は、とにかくそのイギリスの経済が立ち行かなくなってきて、高福祉政策で大きな政府をやっている場合ではなくなってきたということが背景にあります。彼女の政策を一言で言ってしまうと、小さな政府で、民に任せるものは民間へ、そして政府が動かす物は小さく、そして申し訳ないけど福祉政策は少し縮小という形で、新自由主義と呼ばれるような政策を取るようになりました。この方が12年間イギリスにいたお陰で、イギリスという国は一応、経済的には立ち直ったが、新しい不満をもつ方々も増えてきた12年間を次回は追います。

今日のまとめです。イギリスの歴代首相です。戦後の歴代首相、保守党、労働党できちんとではありませんが、概ね交代してきているという中で、イギリスの国内が経済的英国病としての手詰まりを見せ、色々と不穏な動きも出てくる中でマーガレット=サッチャーが登場して期待を持たせるという時代が12年あったという話に繋げたいと思います。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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