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幸福・成功のための哲学⑥

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

18/09/03

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。
 前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。
 他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

1 時間の使い方と重要性・緊急性の原則
 前記の「現在に集中する」ことに関連して、どのような時間の使い方が理想的なものであろうか。
 それは、価値適合性や目的適合性という観点から、一般にその価値や目的のために重要なものを優先するという「重要性の原則」を守ることである。この重要性というのは、社会的な側面においては、自分が与えられた職務に対する重要性を考えると共に、私的な側面においては、自己の夢や目標の実現にとっての重要性を考えて生活する、ということである。すなわち、後者の私的な側面に照らしていえば、自分が夢を実現しながら幸せに生きるという果実を得るために必要な、その元手(資本)となる自己の能力を普段の生活において磨き続けるために、時間を使う必要がある(「自己能力開発への投資」)。人生においては、時間は限られているので、時間を使う項目について、価値判断として選択と集中とが行われる。つまり、より重要性の高い項目により多くの時間を投入し、日々自己の進化向上を目指したい。

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2 資本・果実バランスの維持
 自己の能力は、人生における果実を生み出す元手となる「資本」である。これがあって始めて、夢の実現などを通しての幸せや成功という「果実」が得られる。それゆえ、豊かで幸せな人生を送るために、重要性の低いことに対してではなく、より重要性の高い自己の能力を磨くことに、集中的に時間を投入することによって、資本を充実させていくことが大切である。すなわち、長期的に見れば、目的適合性の観点から適切な「資本充実」(自己の能力を磨くこと)のために普段から優先的に時間を使うことこそが、より多くの果実を得るという目的のために、より効率的である。たとえてみれば、多くのリンゴ(果実)を収穫するためには、適切なときに、適切な量の水、肥料、日光などを与えることによって、資本であるリンゴの木を大切に育てていくことが必要である。ただ単にリンゴという果実の方ばかり気を取られるのではなくて、その元であるリンゴの木という資本を適切に充実させ、自己の能力を増強していくこと、すなわち資本と果実の関係をバランスよく保つこと(「資本・果実バランスの維持」)が大切であり、「米百俵の精神」(小林虎三郎)と同様の考え方である。

資本・果実バランスの維持
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3 信念の必要性
 このような理想的な人生の生き方をする場合に、自己の基本的な生き方、正しい心のあり方について一貫性を保って送るための問題として、単なる知識ではなく、本心良心に基づく信念が、次のような目的で必要である。

本心良心に基づく信念の必要性
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 すなわち、直観力を発揮し、正しい判断や自己統制を行いながら、恐れのない心で、夢や志を実現するための不屈の強い思いとして、本心良心に基づく哲学的な信念が必須であり、それを日常の習慣ないし常態として実践していくことである。
 ここで信念とは、夢などを実現しようとする場合において、不安感などを排除し、勇気を与え、心を支えてくれる確固とした拠り所ないし不屈の強い思いとしての安定点・回帰点である。

むすび
幸福のための哲学においては、時間の使い方と重要性・緊急性の原則、資本・果実バランスの維持及び信念が大切である。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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