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ビジネスパーソンのためのモチベーションマネジメント

村尾佳子 リーダーシップ開発、倫理、価値観

18/08/28

今日は、「モチベーション」について考えてみたいと思います。

そもそも「モチベーション」とは何でしょう?一般的には、内的なエネルギーや湧き上がってくるやりたいという気持ち、意欲、やる気などと言われます。企業では、「モチベーションマネジメント」という言い方をしますが、モチベーションを「外的動機づけ/内的動機づけ」の2つに分け、内から湧き上がってくる内的動機づけと外的なインセンティブや昇格など、これが出来たらこれだけ給料が上がるというような外的動機づけがあるとされています。

しかし、今回は、あくまでもビジネスパーソン自身が自分のモチベーションをどうやってマネジメントしていくかについて考えていきます。当たり前ですが、人間は心からやりたいと思ったことをやっている時が一番意識もせずに没頭しているわけです。仕事などでもよく「フロー」、「ゾーンに入る」などと言われますが、そういった状態で仕事が出来れば幸せです。
人間はどういう時にモチベーションが上げるか、やる気になるかというと、大きく2つ「有能感」と「自己決定感」が感じられている時です。
「有能感」とは、自分が出来る仕事をやっている時に感じる、「自分、仕事が出来ている!アウトプットができている!役に立っている!」という感覚です。どんどんと仕事をこなしていて、アウトプットがきちんとできている感覚がある時です。「自己決定感」とは、自分でコントロールが出来ている感覚、つまり、自分で決めて自分で計画して自分で実行出来ているという感覚です。この2つの感覚がある時にやる気になります。

そういう仕事ばかりあればいいですが、時には、「こんな仕事やりたくない」と感じることもあるでしょう。そんな時でも自分自身を奮い立たせて、やる気を引き出す力がある人がいます。人は、仕事に対する意味づけ力によって、どんな仕事にもやりがいを見出すことが可能です。それが出来るか出来ないかで成長に大きな差が出てきます。そういった「意味づけ力」をどうやって意識的に持っていくのかが非常に大事ではないかと思います。

では、どうやって意識的に(人工的に)意味づけを行っていったら良いのでしょうか。
そのヒントが、イソップ寓話の「レンガ職人」の話の中にあります。これは、まさに意味づけの話です。どういうお話かというと、レンガを積むお仕事をしている人が3人います。仕事について尋ねると、1人目の人は、「レンガを積むという仕事をしています」と答えます。つまり、本人もレンガを淡々と積むのが自分の仕事だと思っているわけです。2人目の人は、レンガを積んだ結果建物が出来るため、「建物を作っています」というふうに、「レンガを積むこと=建物を作ること」と解釈しています。3人目の人は、レンガを積んでできる建物は、人々が祈るための教会であることから、「自分は人々を幸せにする、人々の心の平穏を保つ教会を作っていると思ってレンガを積んでいます」と答えました。
自分は人々を幸せにするために頑張ってこのレンガを積んで教会を作っていると心から思うことが出来ていれば、この人はとてもやり甲斐を持って、恐らく誰よりも沢山のレンガを積んでいるわけです。作業としては同じレンガを積むという作業ですが、その考え方、それが何を意味しているのかというところまで考えることで、意味合いは変わってくるわけです。恐らくそれだけで、同じ仕事が輝いて見えると思います。
例えば、サラリーマンとして働いているといっても様々な仕事があります。単純な仕事もあれば、「どうなのよ、この仕事」と思う仕事もあると思います。しかし、広い意味で捉えると、その会社それぞれ経営理念があり、経営理念とは何かというと、どの会社にも創業者、最初会社を立ち上げた記憶があるわけです。その創業者はこういう価値を社会に提供したいと思って、社会の役に立ちたいと思って会社を作ったわけです。その思いがまとめられた経営理念をしっかりと解釈して、その経営理念を実現するために会社の各組織の仕事があります。
例えば、製薬会社の営業をしているとします。自分が営業して稼いだ利益が、研究開発の資金になり、新薬が生み出され、多くの人を救っていると思うと、営業も売上目標を追っているだけではなく、さらに意味のある仕事になるでしょう。そういうふうに、自分の仕事のそれぞれの意味合いを自分で意味づけていくことは、非常に大事です。見ている限り、やり甲斐をもって仕事をしている人は、そういう能力を身につけていると感じます。「仕事の報酬は仕事」という言葉がありますが、私は若かりし頃に、この言葉に出会って、「ああそうか」と思いました。仕事は人によっても位置づけが全然違うわけですが、仕事は「生活をするためにお金を得るものだ」という考え方もあれば、「仕事を通じていろんな方と出会ったり、成長したりして、人間的な自分の成長が得られる」という考え方もあります。私は、仕事を通じて人は成長すると考えています。どんな仕事も自分の成長のプロセスに大事なものだとすると、意味づけができるわけです。私は1社目が旅行会社でした。1日100件を超える飛び込み営業をしていました。1日100件というと、やはり中には嫌な断られ方をしたり追い返されたりすることがあるわけですが、どういう入り方をしたら受け入れてもらえるか、色々と実験するわけです。その中で話を聞いてもらえる、対応してもらえる確率が上がっていくと「ああ、自分凄く成長できた」と自分の成長を感じることができました。そして、それが喜びになり、昨日よりも今日、今日よりも明日、こんなところが出来たなというようなことを考えていくと、自分の成長に喜びを感じることが出来ます。自分自身でどんな仕事も意味づけながら、何らかの喜びをどうやったら見いだすことが出来るのか、そんなことを考えることも大事なことだと思います。「自分はしょうもない仕事ばっかりなんだよ」と文句を言う前に、まずはそれが楽しく輝いて見えるような意味づけがないのか、そんなことを考えてみてもいいのではないかと思います。

では、今日のまとめです。
仕事の意味づけというのは、自分でコントロール出来ることなので、自分でコントロール出来ることに集中して、自分自身でモチベーションを上げていくことも非常に大事ではないかと思います。

分野: リーダーシップ開発/倫理/価値観 |スピーカー: 村尾佳子

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