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自分を知り、受け入れる

松岡綾子 メンタルマネジメント

18/04/02

職場でのストレス、人間関係、メンタルヘルスについてお話していますが、今日は、心を平安にしておくためには、自分をよく知り受け入れることが大切であるというお話です。

具体的に「この人の今の心理状態はどうですか?」と尋ねると、皆さん自分なりによく考えてたくさん意見を出してくださるのですが、「では自分はどう思ってますか?」と尋ねると急に口が重たくなってしまうということがあります。人のことはよく見えるけれども、自分のことになるとよくわからなかったりすることってありますよね。普段なかなか自分について考える機会がないのかもしれません。しかし、自分自身をコントロールできるのは自分しかいません。自分自身がどういうタイプの人間なのかを理解しておかないと、自分で対処不能になってしまうという最悪な事態が起こるかもしれません。

みなさん人生の中で「こうなりたいな」と思う憧れの人がいらっしゃると思います。そういう人を見ていると、その人に近づきたくて、その人のスキルや生き様などを自分も真似したくなるものです。ただ、やはりその人と自分は別の人間ですから、どうしても真似ることの出来ない部分があるということをしっかり認識して、自分はどういう人間なのかということをきちんと考えていく必要があります。そして、理想の自分とはどういう人だろうかと自分ナイズさせて考えることが非常に重要です。

では、自分を知るためにどういうことをしていったらいいのかというと、これは実際には私がやっていることなのですが、「1日の終わりに今日の感情を一言で表す」ということをしています。
例えば、「まあ大体楽しかったかな」とか、「なんかずっとイライラしてたな」、「凄いむかついた」などを、毎日日記に書こうと思うと非常に負担なので、今日の感情を一言の形容詞で残していくということを365日やっています。そうすると、自分の気分のムラが分かってきます。例えば、自分の気分の落ち込みは続いても3日間、など自分の傾向が分かってくるので、実際に落ち込んだ時もあまり悲観的にならずに見通しを立てることができます。自分がどういうリズムで生活しているのかを知るためにも、「今日の感情はこうだ」というのを残すことは有効だと思います。

おそらく皆さん1日に1分たりとも自分のことを考えずに寝たという日が結構あると思います。しかし、これをやると否が応でも朝からの自分を思い浮かべます。言動と気持ちの両方の面から振り返って一番強く印象に残った感情は何だったかなということを思い起こすので、自分が何をしたかを振返る時間を、たとえ夜寝る前の数分であっても毎日とる人とそうでない人とでは、自己分析の質は全く変わってきます。

ストレスの怖さは、ストレスがたまってること自体を自分で分からないでいることです。気付かないうちにストレスがたまっていて、気付いた時にはひどいことになっているということがよくあります。365日毎日自分の感情と向き合うことで、嫌な気持ちになることもあるかもしれませんが、だからこそ「私ストレス溜めやすいんだわ」と自己認識することができます。

五月病という言葉がありますが、社会人が五月病みたいな鬱状態に陥る一つのきっかけとして長期休暇があります。仕事から隔絶しているこの期間から仕事に復帰するときにどういう行動をとっているかで、そのあと鬱っぽくなってしまうのか、しっかり切り替えてリフレッシュした頭で仕事に臨めるのかが変わってきます。

 一つ実際のお話をご紹介しましょう。
非常にまじめで、休みの日でも仕事が気になり、携帯電話を使って会社のメールをチェックしたり、仕事の状況を確認したりしていた方がいらっしゃいました。ただある時、一緒に旅行に行った友達から「休み中は仕事のことは一切忘れよう」と言われ、ちょっと仕事のメールを見ていたら「バカンスの気分崩されてしまう」と指摘されたので、休みの間中メールを見るのを我慢していたそうです。そうすると、休みの最終日。次の日会社に復帰できるかが不安で不安でたまらなくなり、結局前日の夜に仕事のメールをチェックし、あまりの量に頭がついていかず、次の日会社に行くときには当然寝不足ですし、休みの間に自分が把握できていないことが起きていたるため、なかなか仕事に乗り切れず、1週間くらい非常につらい思いをして具合を崩してしまった方がいらっしゃいました。

自分がどういう性格なのか、いくら休みの時とはいえ、定期的にメールを確認していた方が後々精神的に楽であるということを知っているのと、知らないのとでは対応が違ってきます。
お友達は、早朝に成田に帰ってきて、そのまま着替えて会社に行っても平気かもしれませんし、すぐに仕事の頭に切り替えられる人なのかもしれません。でも自分はどうなのかということをしっかり考える必要があります。ちょっとした変化にも不安に感じやすい人であれば、変化をあらかじめ察知しておく、こんな環境を用意しておく必要があったというわけです。
自分を知ることで自分にあったやり方ができるんですね。

では、今日のまとめです。
自分の生活を振り返ってみることで、自分のタイプをよく知って下さい。その自分を受け入れて今後の自分の生き方を考えて頂ければと思います。

分野: メンタルヘルス |スピーカー: 松岡綾子

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