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女性のキャリア(2)

村尾佳子 リーダーシップ開発、倫理、価値観

18/01/26

前回に引き続き「女性のキャリア」についてのお話です。
よく「なかなか社内で自分の指針となるようなロールモデルを見つけることが出来ない」という話を耳にします。このように、仕事に悩んで先輩の女性に相談してみたけれども自分の働き方とは合わないと感じて参考にならず困ったという経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。正直、自分のイメージと100%合致する理想の人というのはどこにもいません。しかし、例えば「醸し出す雰囲気はAさんの雰囲気がいいな」とか、「仕事の進め方はBさんがいいな」というように、それぞれ「ここはいいな」と思える部分がある人がいます。すべてが完璧な人を1人探すというのは難しいですが、AさんBさんCさんDさんEさんというように、複数の人のいいところを組み合わせてロールモデルにしていくという方法が良いのではないかと思います。

最近では女性の管理職も増えてきていますが、部下を持ってリーダーとしてやっていく時には、なかなか男性の部下とうまくいかないという話を耳にします。一概には言えませんが、一般的に女性の強みは、社会性が高くてコミュニケーションが上手な方が多いことです。女性は観察しながら様々なことに気づくことができるため、「今日は体調が悪そうだな」などきめ細やかに部下の状態をモニターしてサポートすることが出来ます。ぜひ、皆さんもそうした強みを生かして取り組んでみてください。

その一方で、女性は男性よりも感情が表に出やすく、「今日は機嫌が悪そうだな」など周囲に気を遣わせてしまいかねません。そういったネガティブな感情をいかにコントロールするかが課題となっている方は多いように感じます。「感情のマネジメント」のポイントは、まず自分の特徴をよく把握することです。まずは自分がどういう特徴を持っているのか、自分の課題を知るためにあえて自分に対するネガティブな意見も聞いてみるなど自分を知る努力が必要です。そうしたことを乗り越えていかないと能力の開発は出来ません。例えば日によって機嫌が悪いと映ることがあるとするなら、そうならないように毎朝意識し続けるなど自分の課題に応じた対応を試みていく必要があります。ちなみに、私も若かりし頃は情緒が豊かで、ネガティブな感情も口に出していた時期がありました。その時私はどうしたかと言うと、毎朝目覚ましのアラームのメッセージに「ネガティブな感情を撒き散らさない」というメッセージを入れて、毎朝起きると同時にそのメッセージを見続けました。目に入る視覚的な情報に毎日触れることで自分の脳を騙すわけです。
全ての能力開発というのは「くせ付け・意識付け」です。自分が意識しないとトレーニングは出来ません。まずは強い意志をもって自分が負けないように、思い出せる状態の何らかの道具を作って、いかに自分が意識出来るかをやってみることがスタートではないかと思います。

どこまでそれに取り組むことができるのかというのは、こういうリーダーになりたいとか、こういう人物でありたいとか、自分が理想を強く願うことがあるかどうかと関係しています。ネガティブな感情を撒き散らさない人間になると決めることも非常に大事ですが、感性が豊かであるということは、女性の大きな特徴の1つでもあります。この特徴には、様々なものを感じとれるというポジティブな面もあります。ですから、感性を押し殺してしまうのではなく、感情の対極にある「論理」を磨き、自分の頭の中でぐちゃっとなっているものを分かり易く相手に伝えていくことができればポジティブな面を活かすことができ、大きな武器になります。感情と理論は両輪です。両方あることで初めて説得力が生まれるわけです。このように、どんなリーダーになりたいのか、そのためにはどんな力を磨いたら良いのかをぜひ一度自分で思い描いてみてください。

キャリアを形成する上で、30代、40代になってくると「今からでは遅いのではないか」という気持ちがわいてきたリ、年齢が気になってくる時期があります。子どもに手がかからなくなってきた女性たち(40代の方たち)の中には「こんなにブランクがあって今更私は遅いわよね」とお考えの方がいらっしゃるかもしれません。しかし、実はそういった方にもチャンスが来ています。「人生100年」ということが最近話題になっていますが、人生100年だとすると、今までの定年の概念がガラリと変わります。今の流れは「働ける限り働こう」です。そうすると80~90まで働くわけです。仮に80歳を定年と設定した場合、まだ残り40年あることになります。そう考えると手遅れということはなく、新しい能力が必要とされる今、これから能力開発をすれば恐らく間違いなく色んな選択肢が増えていく時代です。「手遅れ」と捉えるのではなく、「チャンスにあふれた時代であり、やりたいことがあったらどんどん挑戦できる時代」と言い換えることが出来ると思います。

では、今日のまとめです。
まず、ロールモデルは1人に限る必要はなく、自分が素敵だと思う人の要素を少しずつ取り入れながら、同時に「自分はどういうリーダーになりたいか」、あるいは「どういう人になりたいか」をしっかり考えながら素敵な人生を歩んでいってください。

分野: リーダーシップ開発/倫理/価値観 |スピーカー: 村尾佳子

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