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キャリアマネジメントにおける落とし穴

村尾佳子 リーダーシップ開発、倫理、価値観

17/12/08

今日は、「キャリアマネジメントにおける落とし穴」というテーマでお話します。
「キャリアマネジメント」とは、一体なんでしょう。「キャリア」とは、ざっくり言うと"人生"のことです。その人生の中でも、今回は"仕事"に限定して、「自分の仕事を管理していく」ということになります。今仕事に就いていらっしゃる場合でも、それがずっとあるものというふうに考えるのではなくて、自分には様々な仕事の可能性があり、様々な人生の可能性があるということを考える中で、一体どういう考え方をすればいいのかを考えていくのが「キャリアマネジメント」です。今日は、キャリアマネジメントを考えていく上で陥りがちな代表的な落とし穴(罠)についてご紹介します。

キャリアマネジメントを考える際には、大きく「目標設定段階」、「能力の獲得段階」、「チャンスの獲得段階」という3つのパターンがあります。
まず、そもそもの「目標設定」から考えていきましょう。皆さんはこんな理由で何をやりたいのか考えないようにしていませんか。
例えば、もっとエキサイティングなことが出来るはずなのにそのことをそもそも考えていない。もっとワクワク出来る仕事が他にあるのではないかということをそもそも考えていないというパターンです。そこそこ仕事に満足していればわざわざ考える必要もないことですけれども、実は「もっと何かあるかもしれない」というのが一つです。それから何となくやりたいと言っている仕事があるけれども、具体的に何をするのかイメージや本質が掴めないというパターンが結構あります。
例えば、「コンサルタントになりたい」という方が結構いらっしゃるのですが、「コンサルタント」のお仕事と言えば、ひたすら分析をしたり、事実を集めたりして、そこから何が良いのかを解釈して考える仕事です。当然「考える」ということは、様々なことをきちんと整理できる能力が必要ですし、考えることが好きな方でないと中々辛い仕事ですね。漠然と思っているだけでは、動けません。具体的にどういう能力が必要なのかというところまで考えておく必要があります。何かやりたいと思っていることがあるのであれば、いったいそれは何を具体的にすることでどういう生活が待っているのかといった点をきちんと考えましょうという。

その他に、「やりたいこと」と「世間一般で容易と言われていること」を混同してしまっているパターンがあります。世間一般で、「○○の仕事はかっこいい」と言われている仕事がありますよね。そういう世間一般のイメージになんとなくあこがれて実際に転職したら、自分が思っていた仕事と違っていたり、自分の性格と合っていなかったりということがあります。やはり本当に自分がやりたいのか、世間でいいと言われていることを何も考えずに真に受けるのではなく自分に問う必要があります。世間の考えを鵜呑みにするというのは、他人の価値観で生きるということにも繋がります。他人の価値観を重視するのではなくて、本当に自分が何をしたいのかということをちゃんと考えましょう。それが「目標設定」の大事なポイントです。

次に、能力の獲得についてです。先程も少し触れましたが、やりたいと言っている仕事をやるために、そもそも必要な能力を理解していない場合があります。どんな能力が必要なのかということをちゃんと分解して計画を立てて、その能力を獲得することをやっていかなければなりません。中には、「そもそも必要な能力を培う方法を知りません」ということで、今の仕事にはそのチャンスがないと言って永遠に終わっってしまう方もいらっしゃいますが、今の仕事で出来ないのであれば、例えば、自分の能力を活かしてホワイトカラーのボランティアをするところで「プロボノ」というのがありますけれど、そうした形で何かのプロジェクトを手伝ってみると、今の仕事では企画業務はほとんどしないけれども、外部のそういった機会を手に入れることで何らかの企画を進めることが出来ることもあるため、「そんな機会無いんだよね」ではなくて、本気でやりたいのであれば何か出来る機会を探しましょう。それこそ友達の結婚式の企画でも何でもいいと思います。そんなことも含めて、チャンスをしっかりと考えて能力獲得方法を考えましょう。

それから、やりたい仕事から逸れた能力を高めてしまうというのはキャリアの穴になります。どういうことかというと、特に若い時に多いことかもしれません。若くて真面目な方が陥りやすいパターンですが、例えば、すごい難関資格と言われる資格を頑張って取得し、実際その資格を使ってやる仕事に就いてみると、実はその仕事は自分があまりやりたくない仕事だったということがあります。しかし、資格を取るとその専門性が高いということですから、そういった部署に配属される可能性は大いにあるわけです。そのため、資格を取る段階でその方向を自分の専門にしていくかどうかをよく考えてから資格の勉強をしないと、もしかするとその段階で一生の仕事になってしまうかもしれません。本当にそれがしたいのかを考えましょう。

最後に「チャンスを掴む方法」についてです。やりたい仕事を掴む能力はあるのに、自分の売り込み方をあまり知らないことで、チャンスを逃してしまうことがあります。言葉にして自分のやりたいことを伝えておけばチャンスがふってくるかもしれないのに、こっそり自分の胸の中に秘めているために、なかなかチャンスを与えてもらえないということがあります。これは日本人に多い特徴かもしれません。アピールするということは苦手な人が多い印象があります。しかし、実は言ってみたら簡単に通ったということは結構あります。ことあるごとに「こんな仕事がしたいです」と言いふらしておくというのは非常に大事です。あとは、「買い手側(採用側)」の事情を理解していないというパターンもあります。キャリアには旬があり、「20代ならこういう形でもいけます」、「30代だとこうです」、「40代だとこうです」と色々あります。そのため、自分の年代が一体客観的にどうなのかということの採用側の事情を知識として知っておくことも非常に大事になります。あとはやはり「一緒に働く仲間がいるから」或いは「この上司は裏切れない」ということで、すごくいいチャンスが来ているのに踏み切れなかったというパターンもよくあります。

しかし、そのうちその上司は異動してしまったり、仲間は気づいたら転職してしまったりということがあるので、仲間は勿論大事ですが、自分がやりたいことが明確であるならばチャンスもそんなに何回も来るものではないですから、しっかり捕まえることが大事ではないかと思います。

では、今日のまとめです。
まずは、一体自分は本当に何をしたいのかということをきちんと理解をするということ。キャリアのことは自分の中にしか答えがないので、苦しいですがしっかりと考え続けていただきたいと思います。

分野: リーダーシップ開発/倫理/価値観 |スピーカー: 村尾佳子

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