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中国

村藤功 企業財務 M&A

17/08/02

今日は、ひさしぶりに中国の話をしたいと思います。中国の国際政治について見てみましょう。アメリカと中国がこれからの二大大国であるという状況になってきたので、トランプ大統領との関係がまず問題になるわけです。大陸と台湾と中国は二つでもいいじゃないかみたいなことをトランプ大統領が言ったので、けしからんと中国は相当怒っていたわけです。ところが、2月位に1つの中国がよいとトランプ大統領が電話で話したので、よかったよかったということに一回なったのですね。4月に会談してトランプ大統領は中国になんとかしてもらわないと北朝鮮が危ないという事で、中国が対応するのだったらアメリカとしても貿易で厳しい対策等をとらない、というようなプレッシャーをかけた状況です。ただ、両国とも必要なら戦争も辞さない大国なので、これからどうなるかはよくわからないです。

中国の空母は、最初ウクライナから中古の空母を入手してそれを少し作り直して遼寧という空母にしました。これが一隻目の空母。二隻目の空母を今作っている最中で、山東という空母がもうすぐ完成するという状況です。どこかでひょっとしたらアメリカと中国は本当に戦争をするかもしれません。正直言って、アメリカと中国に戦争されてしまったら、日本はその真ん中にある小さな国でアメリカか中国のどちらかが勝利する前に日本が最初に無くなりますから、戦争は本当に辞めて欲しいです。とても怖いですね。

日本は中国との間で、皆さんご存知の通り、尖閣諸島や南シナ海でもめているわけです。もめてはいるのだけどそれなりに仲良くしなければいけないので、陸路と海路でヨーロッパと中国を繋ごうという一帯一路戦略という中国の会議に対して、5月に二階幹事長を送るとか、7月になってハンブルクで開かれたG20で安倍首相と習近平国家主席で首脳会談を行ったり、来年に日中韓の首脳会議をやろうとしたり、こじれた関係をぼちぼちなんとかしようとし始めている状況です。

一帯一路に対してどうするのかというのは難しいところで、完全に悪い話とは言い難い訳です。貿易路を整備しよう、東南アジアや中央アジアのインフラを作ろうという話なので、作ってもらう国としては、自国はお金がないので中国がお金出してくれるのだったらありがたいというところもあるわけです。しかし、アメリカや日本は、結局、中国が政治的に周辺国を取り込もうとしているのではないか、中国はそれが狙いなんじゃないかと、気になっています。インフラを作ってもらって東南アジアや中央アジアが全部中国に取り込まれて友好国になってしまうと嫌だなと。だけど、インフラを建設する分にはそれはそれでいいので、日本も関与しましょうということを少し言い始めているわけです。ある意味日本の企業は参加したくてしょうがないのです。国が嫌だといっても、本当は産業界はお手伝いしたいわけです。

この様な状況があって、中国国内はどうなっているのかということですが、中国国内の共産党員は8,900万人いると言われています。12億人の中国人がいるとして、10分の1もいないんです。今年の秋には5年に1回開かれる第19回党大会があり、その党大会で中央委員200人と中央委員候補委員160人を選びます。中央委員を選ぶというのがこの党大会の一番大事な仕事の一つです。党大会の後に中央委員会全体会議の1回目があり、そこで政治局員や政治局の常務委員を選ぶのです。政治局員25人の中で政治局常務委員といわれる人が7人にいますが、この7人が中国トップ7といわれ、一番偉い人達です。外国からトップが出てくると中国からはこのトップ7の誰かが会うことになります。今年の秋に7人の内5人は67歳の定年で変わらなければいけないという事に、今までの慣例から言うとなっていますが、習近平はこれを変えようとしてるという疑惑がもたれています。習近平は自分の言う事を聞く人でそろえるために色々画策していて秋に向けた国内政治で大騒ぎです。つい先週も後任の候補と言われた一人が突然拘束されるという大騒ぎが起こっています。そういう意味では国内政治で大変な戦いが始まって、誰が勝ち残って誰が牢屋にいくかという戦いが起こっている最中ということですね。

中国の経済が10パーセント成長だったのが6.7パーセント位になってきたのですが、政治は昔から今までもドロドロです。それは、本当は経済成長が低くなったのだけど高いようにみせかけるということをしないと中央委員になれないとか、政治局員になれないとかいうことですから、政治家は大変ですよ。

今日のまとめです。経済は去年6.7パーセント成長で今年は6.5パーセント目標を全人代で作って、今年の前半で6.9パーセント位成長しているところです。そういう意味では昔の10パーセント以上の高度成長から中成長に移行しつつあります。中成長といっても日本に比べれば全然高成長なのですけど。習近平は共産党を通じて支配を強化しつつあります。国有企業が日本やアメリカと違ってとても数多くあり、党の代表を董事長という社長にするということを通じて、国有企業の支配も強化しています。人件費や不動産が高騰してきたので、中国からの輸出というのは段々厳しくなってきているのですけども、トランプ大統領に対米黒字が一番大きい相手は中国だから何とかしろと言われ、対応策を作っている最中です。とにかく今年の秋の党大会までは、習近平はそれがプライオリティナンバーワンで、ちょっと頭がなかなか他の事に向いていないという状況です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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