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松下幸之助の経営哲21社会観①繁栄の社会

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

17/08/03


シリーズで松下幸之助の経営哲学についてしています。松下幸之助の哲学を見ていくと、宇宙観から始まって、人間観、人生観、社会観、それから社会観へと続き、前回、人生観が終わり、今回はいよいよ社会観です。

社会観とはなにかピンとこないかもしれませんが、社会はどういうふうにできているのか、社会では普通どういう人間が構成していて、どうやったら上手く秩序が保たれるのかというような考え方です。社会観の内、今回は特に繁栄の社会というテーマです。要するに、社会全体でみんなで繁栄していこうということを言っています。まず、松下幸之助は次の3点について述べています。第1点が、各々が与えられた生命力を生かしていくことによって身も心も豊かになることで繁栄した社会を実現することができるということを言っています。第2点目として、繁栄は物心両面に渡るものであるから、物にも心にも偏せず、そのいずれも満たす豊かさが真の繁栄だということです。物心両面が豊かになることによって人間は幸福になれるということです。第3点は一人だけの繁栄はあり得ないということで、繁栄は全ての人とが繋がりあっていて、お互いに各人の個々の生命力を活かせられるような、自由な社会を作り上げることによって、繁栄が確乎すると言っています。

繁栄は繋がって栄えてと書きます。こういう所を見ると、非常に哲学という感じがしますよね。繁栄の意味ですが、繁栄は普通は経済的な繁栄で、GDPなどというような所で繁栄を計ります。日本もそうなのですが、そこの物の豊かさがまず出てくるものの、心の豊かさはどうかと言うと、今一と言うのがいつも言われることです。心だけ豊かで、物が不足していても駄目だし、その逆も駄目と言われています。特に日本とかアメリカでは物は豊かなのに心の豊かさがほとんど付いてきていません。逆に言うと、物が豊かになればなるほど心の豊かさが無くなっていくというような傾向さえあります。

ですから物心一如とか、物心両面に渡る繁栄といいます。真の繁栄とは物心ともに両方が豊かにならなくてはいけませんね。特に物を中心に今の世界の構造を考えると、物の奪い合い、戦争とかいうものはほとんど物を欲しい、資源などが欲しいと奪い合い、その物の奪い合いで物中心で豊かになろうとしているから戦争等が起こります。心の豊かさがほとんど見られません。世界的に見て国家エゴでしょう、自分の国が物的に豊かになろうということで、競い合っているような感じです。その物だけでは無くて、心の面ももっと豊かになって、他の国に尽くそう、社会貢献しよう、あるいは世界貢献しようという方向の心の面が豊かになれば戦争まどといったものはほとんど少なくなると思います。それでは、それにはどうしたらいいのかということですが、一人一人の目覚めが重要だということです。で、一人一人の目覚めは普通あまり考えませんが、松下幸之助は、宇宙観から始まっているので、宇宙の根源が、我々に生命力を与えてくれていて、我々は繁栄できるように作られているのだということになります。ではどうしたら繁栄できるのかということですが、それは我々に与えられた天分、これは自然の力ですが、それに目覚めて活していけば良いというふうに言っています。

基本的には全部繁栄できるような環境は全部与えられているというのが、松下幸之助の宇宙観であり、たぶんこれは正しいでしょう。ではなぜそうなっていないかというと、我執、自我の我、すなわちエゴに寄って自我的な知恵とか分別に捕らわれていて自分だけが良くなろうとし、あとはLOSEやWIN・LOSE感漬けのLOSEにしようというようなことが行われています。加えて社会通念や教育でも西洋流の自我や意欲を実現していくことによって成功や生存競争などでの勝利があるというような教育がなされているので、そういうのは良くないということでしょう。要するに感情と理性があって理性に従えば良いということです。理性というものは実は2つに分かれます。自我的な理性と、無我的な理性です。ですからこのことは直接は言っていませんが、無我的な理性は本来の個人の本性です。自我的な理性は自我に基づく理性です。これが各国でやっている理性のことです。感情で直接できないので、一歩下がっていますが全部自国の利害や自分の利害に基づく理性であり、それを説明もできるけれど自分の利害に基づく。こういうのでやっているから世界があれになっている。そうでなくて無我的な理性。本来の人間に戻るということなので。

哲学や宗教で修業をやると、自己とは何ぞやと、みんなは自分ってこの体や心だと思っているのですが、本来的なのは一歩上の上の魂です。

難しいところが無我的理性で本来の自分です。生存のために自我が出てきていてそれに捕われているというのが一般的な姿です。一人だけの繁栄はありえないので、全ての人と繋がっているのでお互いに自分が大切です。だから各人が自己の本来的な天分を活かせるように自由な社会を作っていくことが一番繁栄できる社会になり、それによって幸福がもたらされるということを松下幸之助は仰っています。

それでは今回のまとめです。
松下幸之助の経営哲学の内、社会観で、社会の繁栄というのは各人の天分、生命力を活かして社会全体としての物心両面の繁栄が出来るような社会を作っていくことが繁栄にもなり、幸福になるのだと言っています。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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