QTnet モーニングビジネススクール

QTnet
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QTnet モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録

タグ

QTnetモーニングビジネススクール > タグ一覧 > タグコーポレートガバナンス

松下幸之助の経営哲20人生観⑧健康の原理

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

17/06/13


宇宙観から始まる松下幸之助の経営哲学のうち第三の側面である「人生観」について解説しています。これはさらに次のような項目に分けられます。今回は人生観の最後の項目である「健康の原理」です。

健康という場合に、心身共に健康であることが大切です。この健康の原理について、次の三つのことを言っています。第一に、人は皆本来健康なものであるから、病気というのは自然の理法と違ったところから起こっている。つまり、自然な理法に従っていない所から起こります。第二に、健康を保つ方法は人によってそれぞれ異なっています。与えられた性質に従って強い人は強い、弱い人は弱いなりに健康を楽しむことができます。第三に、お互いに自然の理法を知ることに努めて、自分の強さに応じた生活を営み、それによって健康が保たれて繁栄の道が開かれる、ということです。

人生の目的ではないが、その目的を達成するための最も基本となる基本条件は、健康です。人は本来皆健康であり、健康が原則で、病気は変則・例外ということになります。他方、人間の身体は、万病の巣とも呼ばれ、若い時は健康なことが多いのに、年をとってくると色々なところでいたみが出てきます。若い時に少し無理をすると、年を取ってからその影響が出てきます。ちなみに松下幸之助は身体が弱かったのですが、それでも90歳台まで生きました。彼は健康の原理を良く理解し、それに従って生活したものと思われます。このように、身体が弱くても、弱いなりに自然の理法に従って生活をしさえすれば、健康を保持でき、長生きもできます

身体が強いかどうかは肉体的な強さで、この強弱というのは天与のものです。したがって、体力や知力とも強い弱いには個人差があります。身体の強い人弱い人は親からの遺伝があるので、その強さ弱さを持ちながらも、強い人は強いなりに、弱い人は弱いなりに、その強度に応じた生活をすれば良いということです。この場合、先天的な強さ弱さはありますが、後天的な

要素もあるので、上手く鍛えることもできます。もう一つ、健康の強さ弱さには節制も重要です。節制する、つまり人間は無理をしてしまうと駄目です。わたしは強くて健康であると思っている人が、時々倒れることがありますが、これは無理のし過ぎで、節制不足です。このような意味でむしろ弱い人の方が無理をせず長生きをするような傾向があります。

病気になると、よく「苦しいときの神頼み」ということで、神様に祈ったり祈祷とかをあげてもらったりしますが、実は、神仏は決して直接的に自ら手をかけて病苦から救ってくれません。神仏ないし大自然は根本的に「自然の理法、自然に従って生きれば健康になる」ということだけを示して、それに従うかどうかは人間に任せている、ということです。したがって自然の理法があることにまず気づかないといけません。そして自然の状態で生活する、つまり、本来の自然の摂理と同じような法則に調和して生きれば、長生きできます。反対に、人工的なことをやると無理が出てきて、病気にもなりやすい、ということです。

「健康の3要素」は食事と運動と休息です。しかし、本当の健康な身体のためには心の健康がより重要です。すなわち食事と運動と休息と心という「健康の4要素」が重要です。この場合、心を健康にするにはどうしたら一番良いかですが、それは、大自然と人間は繋がっているということを感じて、このことに常に喜びと感謝して生きる、という生き方をすることです。このように、心身の健康を保ち、増進することが、社会制度等においても、非常に重要であり、これによって繁栄・平和・幸福(PHP)が達成されます。

今回のまとめです。
松下幸之助の経営哲学うち人生観では、「健康の原理」に関して、人間は本来健康であって病気というのは変則である、ということです。病気になるというのは自然の理法に従っていないから生じるもので、自分の先天的な強弱の度合を知って、それに順応して生活していけば健康に過ごせる、ということです。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

トップページに戻る

  • RADIKO.JP