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北朝鮮

村藤功 企業財務 M&A

17/04/13

今日は北朝鮮の話をしていきます。北朝鮮にはスカッド、ノドン、ムスダン、テポドンといった飛距離の異なるミサイルがありますのでスノムテと覚えてください。

スカッドは韓国、ノドンは日本、ムスダンがグアムまで、テポドンはアメリカまで飛来します。スカッドとノドンはもう出来ている状態なのでいつでも韓国と日本を撃つことはこと可能で、これは核も搭載できるようです。ムスダン、テポドンはグアムやアメリカ本土まで飛来可能ですがまだ完成していません。アメリカが最近何を気にしているかというと、自国に核ミサイルが飛来する前に潰さないといけないということです。最近アメリカは相当本気であらゆる選択肢を検討するようになっています。アメリカに核ミサイルが飛んでくるようなミサイルを北朝鮮が開発する前に先制攻撃をして北朝鮮の体制を変えることもアメリカの選択肢だと考えているのです。それで中国に何とか働きかけてくれるように、そうしてくれないならば単独で行うとアメリカ側は言っています。もしアメリカが先制攻撃して北朝鮮のミサイル基地を全部破壊してくれるのであれば日本としては悪い話ではありませんが、北朝鮮が先にミサイルを撃った場合や、1-2発アメリカが撃った際に北朝鮮が1-2発こちらに撃ってくるということも十分ありえます。先述のように韓国と日本に対するスカッドやノドンという核ミサイルは完成しています。1-2発であればSM3というイージス艦から撃つものやPAC3という地対空ミサイルで撃ち落とせるかもしれませんが、大量に同時に撃たれると全部撃ち落とせるかどうかは分からないと言われています。そうすると東京や福岡に飛んで来れば大変な事です。そうでない場合でも日本の中のアメリカ基地に核ミサイルが飛んでくるととても大変なことになります。そういうことで段々と北朝鮮のミサイルの話が冗談じゃなくなってきたという状況です。北朝鮮のミサイル問題を受けて韓国がTHAADというミサイル防衛システムを配備しようとしています。しかし、中国がそんな事をされたらTHAADのレーダーで北朝鮮だけでなく北京で行われていることも把握されてしまうと反対しています。THAADの配備場所をロッテが提供するということを受けて中国でロッテの関係者や韓国人がいじめられるという状況が始まっています。そういう意味では北朝鮮の核実験やミサイル実験が続く結果、朝鮮半島がとてもきな臭くなってきているというのが最近の状況です。

日本は先述のように海上のイージス艦のSM3や地上からのPAC3という地対空ミサイルがありますが、韓国が配備しようとしているTHAADはありません。韓国と同じようにTHAADと同等の物を配備するとなると1基あたり1-2千億円かかると言われており、さらに日本全体をカバーするには6-7基くらいは必要だと言われています。費用は概算で1兆円ぐらいはかかりそうですが、それを入れてもミサイルを全部撃ち落とせるかは分からないということです。韓国はTHAADを配備する意向ですが、これも大統領が交代する中でどうなるかよく分からない状況です。中国の思惑としては、元々中国は北朝鮮を資本主義に対する防波堤であると考えています。ですから、資本主義が韓国まできている中で、韓国に朝鮮半島を統一されると困ったことになります。アメリカから韓国まで繋がって朝鮮半島から中国にミサイルを撃ってくるといった話になると安全保障上問題だということで、中国は今まで北朝鮮を守っていましたが、ここのところあまりに北朝鮮が危ない事を色々とするので、北朝鮮とアメリカとの戦いに巻き込まれるのではないかという疑惑が中国にも出てきています。将来はアメリカと戦う事も考えるかもしれませんが今のところは中国がアメリカと戦えばアメリカに負けることはあきらかです。アメリカと正面切って戦うという話はしたくないということです。我々からしても中国とアメリカで戦われた日には第三次世界大戦となり、先に日本がなくなってしまうので、本当にやめて欲しいです。中国も最近は北朝鮮を諫め始めています。北朝鮮の貿易は9割方中国が相手です。石炭が中国に輸出されていたのですが国連の安保理事会が制裁決議をして北朝鮮産の鉱物を輸入禁止にしました。最近になって中国もこれを守り始めたという状況です。そういう意味ではアメリカ側からすれば、まずは中国が北朝鮮に核の開発停止や、中国と同じように改革解放をするように促してもらうことが最も良いでしょう。しかし、北朝鮮は言うことを聞かないのでどのような状況になるのかがわかりません。最も心配なのはアメリカとして自国も攻撃される可能性があることです。アメリカは北朝鮮がアメリカ本土に届く核ミサイルを作る前に何とかすべきだと考えているようです。日本人的に言うともうすでに日本に飛んでくる核ミサイルがあるという時点で嫌な話ですが、問題は段々アメリカと北朝鮮が本当に衝突するかもしれない状況になってきたことです。

それでは今日のまとめです。
北朝鮮の核実験や短中長距離ミサイル実験で北東アジアが大変不安定になってきました。アメリカは北朝鮮が自国に到達する核ミサイルを開発する前に攻撃する選択肢を検討し始めたようです。中国が北朝鮮を抑えないとアメリカと北朝鮮の間で核ミサイルが飛び始める可能性があります。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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