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福岡市の国際的な評価

星野裕志 国際経営、国際物流

16/07/21

今日は福岡市の国際的な評価の話です。最近外国人を街で見かけることが、多いと思いませんか。
今年は熊本の地震の影響で大きく予定を下回ることが予想されましたが、それでも6月末までに140隻の客船が入港し、おそらく今年は記録的な数になると思います。先月はライオンズクラブの国際大会も開催されましたし、福岡市内で外国人観光客を見かける機会がとても多いように感じます。

福岡市からもプレスリリースが出されたので、目にされた方も多いのと思いますが、英国の情報誌のMONOCLEの2016年7月/8月版で、福岡が「クオリティ・オブ・ライフ:世界のもっとも住みやすい都市」で、福岡が世界で7位にランクされました。

2008年に初めて17位にランクインして以来、毎回のように順位を上げて、初めてトップ10入りの今年の世界7位は快挙だと思います。今年は、特に交通の利便性、犯罪率、清潔さ、ナイトライフと福岡の得意とするところが特に判断基準に加わったことは確かですが、国際的な認知度が上がっていることは嬉しく思います。

外国人の福岡訪問が増加している理由としては、もちろん福岡の快適さという要素も大きいと思いますし、それ以上に企業等の会議(Meeting)、報奨・研修旅行(Incentive travel)、国際会議(Convention)、展示会・見本市やイベント(Exhibition/Event)の頭文字をとったMICEについて、積極的に動かれている成果も大きいと思います。

6月末に開催されたライオンズクラブの第99回国際大会には、世界205カ国から海外だけで1万5千人が福岡に来られたようですし、先月突然アメリカズカップのワールドシリーズが、11月に福岡で開催との発表がありました。まさに福岡が国際的に認知されつつあるということになります。「住みたい、行きたい、働きたい、国際拠点都市」が、福岡市の目指すところであり、155万人という人口以上に国際交流人口を増やすことを目的としているので、方向性としてはまさに想定通りかとおもいます。

ただ国際的な認知度を高めるだけでなく、国際交流人口として、福岡で働く外国人や福岡に投資する外国企業を増やすとなると、これからが本番なのではないかと思います。

なぜかというと、クルーズ船で福岡を訪れる旅行者にしても、ライオンズクラブやスポーツのイベントで福岡に来られる方にしても、これから福岡にリピーターとして来られる魅力や環境が十分に整っているかといえば、まだそのレベルにはないのではないかと思います。例えば、福岡には世界的な多国籍企業が、拠点を置かれていたり、事業を展開されているということはほとんどありません。

福岡には何が足りないと考えると、私は福岡インターナショナルスクールという九州で唯一のインターナショナルスクールに関わっているので、国際的に活動する人材ということかと思います。そんな時に、専門性と言語というふたつの要素は、非常に大きいように思います。

例えば、福岡の町で困っている旅行者に手伝いしてあげられること。お店に来た外国人に商品を説明すること、外資系の企業が福岡で事業を展開しようとして人材を探すことを想定してみてください。やはりどれも言語が大きなネックになってくると思います。

福岡なら英語よりも、中国語であるとか韓国語とかいろいろご意見もあるでしょう。でも、まずは共通言語としての英語のレベルを高めることで、障害なく意思の疎通を行うことではないかと思うのです。「たかが英語、されど英語」だと思っています。

福岡には、国際的なイベントなどの機会がこれからもたくさんあります。そんなイベントが、スタッフのレベルまでまったく支障なく行われることになれば、おそらく福岡の評価は大きく高まり、日本の中でも一歩抜けるのではないかと思います。それは日本国内が、どんぐりの背比べという意味でどこも同じレベルだからです。

そのためには何をするべきですか、というと、それは教育と好奇心の問題です。福岡が一歩抜け出ようと思えば、中学のレベルから使える英語を学ぶことと国際的なものへの関心を高めるということでしょう。大学生でも、単に意思の疎通ができるレベルの英語から、もうひとつ高みを目指すということです。

さまざまなセミナーや国際会議が、同時通訳を介在することなく開催され、理解し発言できることになれば、福岡に対する見方は確実に変わります。そこまでを目指して欲しいと思います。


今日のまとめ:福岡では多くの国際的なイベントの開催や外国人旅行者の来訪が増加しています。メディアで福岡の国際的な認知度が上がることも嬉しいことです。ただここで満足することなく、そんな機会を活かしながら、私たちが円滑なコミュニケーションをできるレベルになることで、福岡は確実に変わります。真の国際交流拠点になれるのではないかと思います。
これが以前にもご紹介した「内なる国際化」です。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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