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ネットビジネス⑥

川上慎市郎 マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)

16/07/22

前回は、インターネットでは、商品だけを販売してもあまり利益は出ませんが、商品に様々な情報をまとわりつかせることで、より高い価格で販売することができ、またお客さんの出すデータをたくさん集めればお客さんが本当に欲しいと思っている商品を予測して販売することもできるという話でした。

ところで、皆さんは日常、どのくらいインターネットで商品を購入しているでしょうか。
Amazonなどを利用されている方は多いと思いますが、そんなに毎日ネットで買い物するわけではありませんよね。私たちはインターネットの様々なサービスを利用しますが、よく考えてみるとその中でお金を払って使っているものというのは、実はそんなに多くありません。

このシリーズの最初の回で、ネット上の高収益企業としてAmazon、Google、Apple、Facebookという4つの会社の名前を挙げましたが、そのうちGoogleとFacebookの2社は、何か具体的な商品を売っているわけではありません。、Googleの検索サービスをよく利用される方は多いと思いますが、どんなに検索してもお金は一銭も払っていません。それにもかかわらず、Googleが毎月何百億、何千億のお金を稼いでいるのはどうしてなのでしょう。今日はその謎に迫ってみたいと思います。

はじめに答えを言ってしまうと、Googleの収入の多くは「広告収入」です。Googleで何か検索をすると、広告が出てくることにお気づきですか。キーワードにもよりますが、例えば「メガネ」と検索すると、上にメガネ屋さんの広告が2行ぐらい出てくるようになっています。
よく見ないと広告なのか、それとも本当に検索結果として出てきたメガネ屋さんのお店の情報なのか分からないほど、必要な情報という感じで出てきますが、あれが実はGoogleの広告になります。

Googleが出てくる以前は、インターネットで何か情報を探すときは、Yahoo!のディレクトリ(現在はカテゴリ)といわれるサービスが使われていました。たとえば、メガネ屋を探す場合はまず「ビジネスと経済」の中で「ショッピング」の項目を選び、その中から「健康」を選び、さらにその中から「視力、視覚」を選んで、初めて「めがね、サングラス」の項目が出てきます。検索したいメガネ店の名前を知っている場合や、先述の通り「ショッピング」の中の「健康」の中の「メガネ」というように自分で候補を絞っていける人は良いのですが、そうではない人にとってはすごく不便でした。

この不便さを解消したのがGoogleの検索でした。知りたい情報のキーワードを入れるだけで、すぐに検索結果が出るGoogleの検索サービスは、非常に画期的でした。もう今ではあまりにも当たり前になっているので、このサービスが無かった時代のことは思い出せないほどになりましたね。

しかし、この検索機能ですが、実はキーワードを入れると検索結果が出てくるというサービスは、Googleより以前にもありました。私も使用していましたが、AltaVistaというサービスがありましたし、その他にもInktomi、日本ではNamazuというサービスがありました。このように様々な検索サービスがあったにもかかわらず、Googleの登場が世界に衝撃を与えたのはなぜでしょう。

Googleがそれ以外の検索サービスと大きく違っていたのは、検索のキーワードに対する答えの出方が、非常に的確であるという点でした。「メガネ」と検索すると、メガネ屋さんのリスト、メガネの仕組みの解説、メガネの上手な選び方が書かれているサイトなどが、すぐに並んで出てきます。

それまでの他のサービスでは、「メガネ」と検索すると、メガネをとにかく一生懸命安く売っているとか、メガネを最近使ったけれどこんな事があったというお笑いサイトなど、様々な情報がごちゃごちゃに出てきていました。キーワードに引っかかれば何でもありだったわけですが、Googleは本当にこちら側が知りたいなと思っていることに近い結果を出してきてくれます。

実は、これはGoogleの「ペイジランク」という、少し特殊な検索結果を表示するプログラムの仕組み(アルゴリズム)によるものです。それはどういう仕組みかというと、例えば「メガネ」というキーワードに関して、どのページに一番たくさん他のサイトからリンクが張られているかということを統計的に計算して、一番多くのサイトからリンクが張られている情報が、多くの人が知りたい情報であると考えて結果を表示するようにしました。
そのため、「メガネ壊れちゃった」といった個人の日記などは出てきにくくなり、その代わりに多くの人が望んでいるメガネ販売店の情報や、もしくはメガネについての詳細な解説が載っているサイトが上の方に表示されるようになったのです。

このように、今では当たり前に使っている検索機能ですが、Googleの登場により非常に便利になりました。次回も引き続き、Googleの検索サービスについて話をしていきたいと思います。

では、今日のまとめです。
検索というサービスがインターネットの中で、商品を売るだけではないサービスの仕組みを作り上げました。その代表選手がGoogleでした。

分野: ネットビジネス戦略 |スピーカー: 川上慎市郎

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