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春のケンブリッジ

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

15/04/14

毎年九州大学の学生をケンブリッジ大学に連れていく研修事業があります。例年は夏に行っていますが、今回は春に出張で出かけてきました。
今回はその研修事業をご紹介するにあたり、1話だけ今年の研修事業のお話を織り交ぜながらお話していきたいと思います。

実は今回、私が所属している言語文学研究院が公式にこの研修事業をサポートすることになり、その交渉のためにケンブリッジに行ってきました。これにより、私個人の取り組みではなく、大学関連事業としての体制が整うことになります。この研修事業は、ケンブリッジ大学にとってはビジネスなのです。それは、ケンブリッジ大学の維持管理にかかる費用と関係しています。最初にケンブリッジ大学が出来た時代は、王様を中心とした資産家の方々が私財をつぎ込んで大学を創設 しました。しかし、今の時代に同様のものを建設するとなると、膨大な資金が必要となり、こうした財産を維持管理していくためには、通常の大学に比べると余計にお金がかかるわけです。
そのためケンブリッジをはじめ、オックスフォードだとか遺産を引き継いでしまっている大学の多くは、夏休み等を中心に外の方を集めた講座を開講するなど積極的にビジネスを行っているのです。

僕らの学問の世界の間でもケンブリッジ大学というところは「在外研究員」と言い、日本の大学から1年間勉強や研究に来る人を割と受け入れてくれやすいところがあります。非常に格式の高い大学ですから難しいのかと思いきや、枠が広く受け入れてくれるということがあるのです。そうしたことから 、九州大学からもその枠を利用して研修させてもらっています。
通常、28~30人の定員を設けていますが、今回はその交渉を行ってきました。例年実施している夏とは違い、春のケンブリッジは、日本と似たような気候と思っていただければいいと思います。日照時間も緯度が高いため冬場は短く夏は長いというのが普通なのですが、春ですと大体朝は6時くらいに夜が明けて、夕方の5時半とか6時に日没するという具合で、観光客にも心地よい気候かと思います。そして春のケンブリッジは観光客が夏の5分の1から10分の1くらいになります。割合暖かく、観光に行くなら夏に行くよりは有利なのではないかと思います。ロンドンなどは有名な観光地は本当に1時間2時間行列をして入場をするというところが多いのですが、夏に比べるとお客さんも少なく、気候 も比較的安定しているようでしたので、過ごしやすく旅行にもおすすめの季節だと思います。

エアチケットについては、いわゆる航空会社の正規料金というものはさほど違わないと思いますが、いわゆるディスカウントチケットは価格がかなり下がります。いろいろと制約はありますが、そういうものを狙って組み合わせると、非常に経済的な旅行が出来ると思います。

さて、今回はいつもと違った春のケンブリッジの季節 についてご紹介しましたが、大学自体もいつもの夏とは違い正規の学生だけがいるという点で夏のケンブリッジ研修と異なります。

夏休みは学生がどこかに行ってしまうというため、その間に空いている寮に海外の学生さんがくるという形になっていますが、正規の学生さんがいる時はどういう雰囲気なのか以前から気になっていました。春は夏よりも遙かに静かです。むしろ夏は人口密度が高く、わいわいがやがやとしている雰囲気がありますが、春は人口密度も低く、勉強する人が静かに机に向かっているという雰囲気でした。ある程度想像していましたが、こんなに落ち着いているとは思っていませんでした。そういう意味では私も本場のイギリスの伝統ある大学の学期中の雰囲気を知ることが出来て、非常に面白い体験でした。そして今回は、私の後任を担ってくれるかもしれない同僚と共にケンブリッジを回りました。彼もケンブリッジの魅力に取りつかれたようで、非常にうれしく思います。ケンブリッジでの観光についてはまた後ほどお話ししたいと思います。

今回は「春のケンブリッジ」についてお話ししました。春のケンブリッジは夏とは違い、学期中のケンブリッジは夏に比べると非常に静かで、いかにも学問の牙城らしい雰囲気だったということ。そして観光的にも日照時間は充分あり、気温もそんなに低くなく、天候も安定していること。チケットも安く、何より観光地が空いているということで穴場ではないか、というお話でした。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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