QTnet モーニングビジネススクール

QTnet
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QTnet モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録

タグ

QTnetモーニングビジネススクール > タグ一覧 > タグ組織マネジメント

ダイナミック・ケイパビリティー(その1:概念と重要性)

閔廷媛 経営学(マクロ組織論)

15/02/25

●ダイナミック・ケイパビリティーとは?
ダイナミック・ケイパビリティー(Dynamic capability) は、「企業が、環境の急激な変化にあわせて、内外の資源を統合・構築・再攻勢する能力」と定義づけられており、1997年、David Teeceにより提唱された。企業の持続的な競争優位性の源泉として、最近、もっとも注目を集めている概念である。

●関連事例と重要性
1980年代から90年代にかけて、世界的な競争優位性を持っていた日本の家電メーカーは、2000年代に入ってから経営業績の悪化が続いている。その原因として、新しい市場の成長や激しいグローバル競争など、企業の外部環境における問題点がよくとりあげられているが、その外部環境の変化に対して素早く対応できる組織能力の不足が、より根本的な原因ではなかったのかと思われる。
例えば、パナソニックは、LCDが中心となっているテレビ市場において、2013年までにPDPへの投資を続けた。ソニーの場合、長い間ブラウン管の技術改善に集中し、競争他社よりもLCD開発への転換に遅れていた。また、スマートデバイス市場の登場に対し、殆どの日本の家電メーカーは、優れている関連技術を持っているにも関わらず、積極的に参入しようとしななかった。世界市場における変化に対応するよりは、国内市場における競争や自社の既存の技術改善により力を入れてきたのが、現在、日本家電メーカーのグローバル競争力低下の一つの原因になっている。
企業失敗の多くは、外部環境の変化に適応できないことにより生じる。現在、優れた資源を持っている企業であっても、その資源を環境の変化にあわせて構成していく能力、つまり、ダイナミック・ケイパビリティーがないと、持続的な競争優位性は確保できない。

分野: 組織マネジメント |スピーカー: 閔廷媛

トップページに戻る

  • RADIKO.JP