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オンラインMBAの現場から

荒木博行 戦略思考

15/02/12


今日は、10月にスタートしたオンラインMBAについて話します。オンラインMBAでは、インターネットを通してMBAの授業を提供しています。

一口にオンラインで学ぶといってもいろいろなやり方がありますが、我々が提供するオンラインMBAは、オンライン上でライブ形式で皆で議論する、というものです。過去に撮影した動画を見る、ということではなく、講師・受講生が同じ時間帯に集まってリアルタイムで皆で議論をしていくということが大事なコンセプトになっています。

基本的には、週末であれば土曜日の朝か、もしくは平日であれば夜9時からやっています。平日夜は、仕事を終えて家に帰って、ご飯などを終えて、それでスタートという時間帯をイメージしています。子育て中の方とかは、子供を寝かしつけてから参加される、といったことも可能で、実際に子育て中の女性の方にも多くご利用いただいています。

あと、オンラインなのでネットさえつながればどこからでも参加できます。当然海外からでも参加できます。現在私が受け持っている科目も半分位の方が海外から参加されています。ライブ形式なので、その際は時差が関係してきますが、東アジアだと、大体時差がマイナス1、2時間位です。そうすると例えばシンガポールであれば日本の夜9時が向こうの夜8時ですし、もしくはマイナス2時間だと夜7時ということになります。まずこれくらいだったら全く問題なく参加できるわけですね。もしくはアメリカやメキシコから参加されている方もいるのですが、その場合は、こちらの土曜日の朝のクラスで、向こうが金曜の夜、みたいな形で、参加されています。当然日本国内の様々なところからも、参加いただいています。結果的に、極めて参加場所が多様性に富んだクラスになっています。

今日は、実際そのオンラインでどこまで学べるのか、どういう効果があるのかという点について、やってみて感じたことを3点ほどお伝えしたいと思います。

まず1つ目の気付きは、オンラインは極めて高い集中状態の中で行われている、ということです。
我々のオンラインMBAは1コマ90分です。ただ、ネットで90分という時間は長いと思いますよね。実際に我々も事前にインタビューをしましたが、ネットで学ぶのであればせいぜい15分くらい、長くても30分くらいという反応でした。「ネットでは集中力が続かない」と。でも、やってみると90分でも最初から最後まで超集中状態が続くのです。受講された方の感想を聞くと、90分が本当にあっという間、ということです。それはなぜかというと、要するに講師がどんどんどんどん働きかけていってチャットから発言からフィードバックからあらゆる手段を使って脳みそをフル回転させて、アウトプットしてもらうからなんです。いつ自分が指されるか分からないという緊張感もあります。

通学のクラスですと、例えば一人の方が発言していると残りの方はある種少し待ち時間みたいな状況も生まれます。クラスに30人いると30人全員が一斉に発言はできませんから、そういう形になるのは当然ですが、オンラインではチャットという手段を使えば30人いたら30人が頭をフル回転して発表出来ることになるわけです。このような形で常に脳みそをフル回転して、集中状態を続いていく、というのがオンラインMBAにおける1つ目の発見です。

2つ目のポイントは、「個人」にすごくフォーカスされたクラスになるということです。
通学クラスでは、基本的にグループワークという形で、複数のメンバーでアウトプットをまとめる作業をします。それはそれで、限られた時間内に意見を建設的にまとめていくというスキルが得られます。オンラインの場合は中々グループ単位のディスカッションというのがやりにくいというのもあって、基本的にすべて個人ベースでの発表になります。グループワークだと、皆の力合わせることで個人の実力の過不足が目立たないということがありますが、個人ベースになった瞬間、そういったものが如実に表れるようになります。

そして、最後の3つ目のポイント、「言葉が磨かれる」ということです。
オンラインMBAにおいては、そんなに長い尺で話すことが出来ません。普通の場だと2~3分の演説を平気でしちゃうような人も、なかなか周囲の空気を読めないというものもあって、長くても30秒くらいで話すことになります。そうするとその時間内にいかに自分の考えをコンパクトにまとめるか、という能力が鍛えられるという側面がでてきます。不必要な言葉をそぎ落として、必要なところだけをずばっと言う。そういうことを繰り返すことによって、自分が伝えるべきことをピンポイントに的確な言葉を選んで伝える、というスキルが得られるというのが、今までのところの手応えということになります。

今日の話をまとめます。
今日は、これまで数か月間やって来たオンラインMBAにおいて、気付いた点を述べました。集中状態が続くこと、個人としてのアウトプットが問われること、言葉を選択していく力が鍛えられるということを申し上げました。

分野: グロービス経営大学院 リーダーシップ |スピーカー: 荒木博行

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