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世代論②

出頭則行 マーケティング

14/05/22

前回に引き続き「世代」のお話しです。
前回はアメリカに世代論をご紹介しましたが、今日は「日本の世代論」についてお話しします。

「日本の世代クラスター」
世代クラスター論が語られるのはその世代に他と違った特異性があると認識されていることを意味し、時代特有の状況や事件がその世代の特徴的な性格を形成したことを前提とします。

第二次大戦後の日本の代表的な世代クラスターを概観しましょう。
敗戦(1945年)を契機として
-戦前派(青春期を戦前に送った世代)
-戦中派(青春期を戦中に送った世代)
-焼跡・闇市派(青春期を戦後混乱の中で送った世代)
-戦後派(青春期を戦後の体制変換期に送った世代)
戦後復興の状況の中で(1955年―70年)
-団塊の世代
成長の頂点にあって(1985-91)
-バブル世代
バブル崩壊(1991年)からデフレスパイラルへ
-ロストジェネレーション
東日本大震災(2011年)
-?

日本の世代クラスターの特徴についてお話しします。
先ず第一に、世代クラスターのカバー年代が短い(「団塊の世代」1947-49生まれVS「米国ベビーブーマー」1946-59生まれ)ことが挙げられます。次に、「団塊の世代」の圧倒的人口圧力があります。「団塊の世代」は1946~49年に生まれた層で、この時期の出生数は各年250万人を超えています。現在の年間出生数が約100万人ですから、驚くべき突出ぶりで、日本社会の全般に大きな影響を与えることになりました。更に、日本の世代間の対立ということが特徴として挙げられるでしょう。戦争を知る層と知らない層の対立、バブル以前と以降の層の対立などです。

現役を引退しつつある「団塊の世代」の評判は総じて芳しくありません。高度成長の時代を謳歌し、ジャパン・アズ・ナンバーワンの1980年代に浮き浮きの30歳代を過ごし、バブルの時代に遊びまくり、バブル崩壊(1991年)後も、終身雇用の中で生き延び、潤沢な年金を手にいれて勝ち逃げした団塊世代。これらがバブル世代以降の抱く「団塊の世代」への反感と批判で、半沢直樹シリーズの高視聴率の背景にある時代の気分があらわれています。しかし、これらの反感と批判は多様な「団塊の世代」の一面しかとらえていません。世代呼称というラベル貼りの危険な一面です。今、世の中の主導権を取っているのはいわゆる「バブル世代」であり「ロスト・ジェネレーション」と言われている人達です。反感と批判だけでは何も生まれません。彼らがアンチ団塊を超えた世代層となることが日本の将来にとって重要です。

付け加えれば、第二の敗戦と言われる3・11東日本大震災に衝撃を受けた青年達が日本の新たな世代クラスターを形成することになるのではないでしょうか。

分野: マーケティング |スピーカー: 出頭則行

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