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英国における異文化10

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

13/11/29

今日は「自転車」にテーマに絞りたいと思います。
「英国における異文化」を始めた頃、少しお話をしたことがあると思いますが、今日は自転車のみに焦点を当て、お話したいと思います。

まず英国に行き自転車に関して日本と違うなと思った点は、「大人の自転車の文化」を持っているなということです。それが、どういった点に現れているかというと、マナーが良いことはもちろん、自転車そのものが本格的であるケースが多いです。いわゆる日本で言うような「ママチャリ」というようなものに気軽に乗り、その辺にお出かけ、というような出で立ちの人が非常に少ないです。そのあたりの話を少ししてみたいと思っています。

まず、自転車をあちこちで見かけますが、それは自転車を交通手段にしている人が沢山いるからです。日本でも、もちろん多いと思いますが、イギリスではかなりの人が自転車に乗っているなという印象を受けます。しかも、老若男女を問わないのですね。「それはどうしてか。」と考えてみると、イギリスの地形が日本に比べて非常にフラット(平ら)なので、日本のような山坂道があり、「あそこを自転車で登るのかよ。」というようなことが少ないからだろうなと思っています。また、自転車そのものが発達していると思います。さらに、日本において自転車というのは、本当は道交法で規制されているのですが、実際には、「自分には関係ない。」というような運転の仕方をしている人が多いですよね。

少しずつ色々なところがきちんとしてきているので、今後日本でも自転車をキチンと乗りましょうという話になっていくと思いますが、今の段階では、公道で走ってはいけない所でも走っていたり、或いは車道を右側通行していたり、無灯火で走ったりと色々な人がいるわけです。1000人に999人の人は、曲がる方向を示すサインである「手信号」なんてしてないですよね。しかし、この手信号はちゃんと教わることです。みなさんどこかで勉強しているはずなのですが、日本ではほとんどの人がやりません。一方、イギリスではほとんどの人がこの「手信号」をしているのですね。信号にもきちんと従いますし、非常にマナーが良いなと思います。その分、設備も整っていて、例えば自転車専用の走行レーンというものが、日本と比べ発達しています。日本でも、歩道を走って良いところにはラインが引いてありますよね。英国では、「こちらは歩行者だけ、こちらは自転車だけ。」という分け方をするのが当たり前、という感覚のところが多いです。以前、私が自転車の専用レーンのところをうっかり散歩していたら、通りかかったおじさんに「何をやっているんだ!」と怒られたことがありましたし、ケンブリッジの学生さんにも「教授、こんなところ歩いてはいけません。」と叱られたことがあります。このようなマナーを守ろうというところは、比較的厳しい面があるなと思いました。

ここからは、私が「珍しいな」と感じた話です。珍しいと言っても、「日本人の目から見ると珍しい」ということなのですが、英国では「ヘルメット」をかぶっている人が多いですね。恐らく義務付けられているのだろうと思います。日本でも、子供さんには推奨していると思います。しかし、学校に通う子供さんが白いヘルメットをかぶっているところや、「この人は確実にサイクリングが趣味なのだな。」と思われる人が被っているのは見たことがありますが、主婦の人やビジネスマンが被っているのは見たことがありません。所謂、ママチャリに乗りながらヘルメットを着用するというのは見かけないですね。
英国において自転車に乗る方というのは、自転車に乗るに相応しい出で立ちをしています。例えば、上下の服装からして本格的な人が多いのです。しかも、それらのウェアが似合う人も似合わない人もみんな着ているというようなところがあり、みな本格的な乗り方をしているのだなという風に思います。そういった点も日本人から見ると珍しいなと思うところなのですが、これは恐らく向こうの気候があまり暑くないため、そのような格好をしていても大丈夫なのだと思います。

また、面白いのが鉄道に自転車を乗せても良いというところが多いのです。もちろん、これは鉄道会社によって違いますし、ラッシュ時間帯はダメであるといった制限もありますが、英国では例えば、ケンブリッジから昼間、列車に自転車を乗せてロンドンへ行き、ロンドンでサイクリングを楽しみ、また帰りは自転車を列車に乗せて帰ってくる、なんてこともできるわけです。それも、無造作にドアのところから中に入り込み、空いているスペースに自転車を置いておくだけなのです。自転車専用の繋ぎ留めるスペースといったものが何もなく、こんな形で大丈夫なのかと思ってしまいます。しかし、日本のように超絶ラッシュで人がドアに張り付いてしまうような混み方はしないのですね。そういうこともあり、自転車を乗せられる余地があるのだろうなと思いますね。
これもあって、旅行者もイギリスに行ったら自転車を借りることがあります。値段も比較的安く、1週間から1ヶ月という単位で借りる人が結構います。私のところにいる学生でも、そういうことをする人がいたりします。

そして、最後に極めつけです。これはこれまで一度しか見たことがないので、本当にイギリスで流行っているかどうか分からないのですが、自転車の後輪で「リアカーを小さくしたようなもの」を引っ張っていて、そのリアカーに蓋が被せられており、中に赤ちゃんが寝ているというカプセルを見たことあるのです。これには目が点になってしまいました。国の文化によって、何が安全で何が危ないかというような感覚が違うのだろうなと思いました。日本では、絶対に見たことがありません。実際、赤ちゃんがバウンドして少し苦しそうでした。危険な気もしますが、イギリスには砂利道があまりないので大丈夫だとは思います。

今日の話をまとめます。まず一点目として、イギリスの自転車文化は非常に大人びていて成熟しているということです。そしてもう一点は、自転車自体も本格的で、加えて乗り方、マナー、或いは服装やヘルメットといった出で立ち、そういったものを含めて、非常に本格的な文化が育っているという点です。その辺を比べると「日本は少し情けないぞ。」というお話を今日はさせて頂いたつもりです。

分野: |スピーカー: 鈴木右文

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