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アフリカ

村藤功 企業財務 M&A

13/10/08

今回はアフリカについてお話します。

中国の次にインド、インドの次にアフリカが成長すると言われていますが、今年の前半、日本ではなぜだかアフリカに対する興味が集まりました。実は、5年に1回のアフリカ会議が横浜で開催され、アフリカの50カ国から様々な人が横浜に集合したのです。そこでマスコミが群がっていろいろな人にインタビューし、アフリカの話が新聞やテレビで続々出てくることになりました。

中国は国内需要がいまひとつということもあって、アフリカをマーケットとみなし、中国車のアフリカへの販売などを始めました。日本企業の中で、中国に遅れないように、アフリカを研究しようという動きが出てきたのです。アフリカからは資源をただ買うという状態でしたが、アフリカでもインフラがぼちぼち整備されて、マーケットができることも遠い将来にはありえます。

アフリカはもともと、世界で一番最初に人類が発生した地と言われています。世界史の教科書の最初の方を見ると、アフリカの洞窟で絵や骨が発見された話が載っています。その後人類は世界中に広がっていきますが、アフリカの人たちはアフリカにとどまり続けました。ヨーロッパ人的に言えば、何が起こっているかわからない暗黒大陸でした。大航海時代に入って、ヨーロッパ人によって、アメリカとともにアフリカも発見されることになります。

大航海時代以前より、アフリカからアラブ世界への奴隷貿易が、7世紀から20世紀くらいまで延々と続いていました。アメリカ向けの奴隷貿易が始まると、1000万人くらいのアフリカの人がアメリカへ連れて行かれるようになりました。産業革命が起こると働かされている人の人権問題が出てきて、奴隷はいけないという話になってきました。そこでアフリカを資源供給地あるいは市場として分割しようということで、イギリスやフランス、スペイン、ポルトガル、少し遅れてドイツ、イタリアが進出してきました。こうしてアフリカが、上記にベルギーを含むヨーロッパ七カ国によって分割され、第二次世界大戦後、これら諸国が続々と独立することとなります。

現在のアフリカに対する投資は、ヨーロッパではなく、主として中国やインドによって行われています。アフリカの一人当たりGDPはインドと一緒で、日本の1/30くらいです。日本は、一人当たりGDPが同じくらいのインドで商品を売り込むことができたので、アフリカに対しても商品を売ることができると考えています。ただアフリカでは、インドと同様に貧富の格差が大きく、政治家の汚職が絶えず、失業率が高いといった問題があります。ほかにも、民族対立や政治や治安が安定していない、インフラが整備されていないなどの問題も山積みです。これまで外国からの援助に頼ってきましたが、今後は、コマーシャルベースの貿易や投資へ移行して発展してほしいという状況です。

インフラは非常に重要です。工場を持っていても、電気や水道が止まってしまうと、どうにもなりません。また、ロジスティクスとして色々な物を輸送する際には、インドでもそうですが、予定していた鉄道やトラックが止まるとうまくできません。日本企業のように予定の進捗管理をするというモードに乗せるためには、まずはインフラを確保しないといけないのです。

今日のお話をまとめます。
今後は、中国、インド、アフリカの順に、成長段階に入るのではないかと思われ始めています。問題は山積みですが、まずはインフラを整備して、成長軌道に乗せようとしています。銀行も不十分ですが、携帯電話によってどうにかしようとしています。アフリカでも、いろいろなことが起こり始めているのです。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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