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2013ダボス会議に出席して①

岡田昌治 国際企業法務

13/05/02


2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド=ユヌス博士は、バングラデシュのグラミン銀行を作った方です。僕がユヌス氏と知り合ったのは、自身が担当していた国際産学連携のプロジェクトにおいてでした。氏が提唱するソーシャルビジネスをサポートする研究センターを2007年に学内に立ち上げて以来、この方と九大は連携プロジェクトを行ってきています。

グラミン銀行は、何か目的をもって起業したいという人に、無担保、少額の融資を行うものです。利子はきちんとつきます。現在のところ、グラミン銀行の借り手は850万人ほどいますが、そのうちの97%は女性です。彼女たちは自分で事業計画を書き、銀行のマネージャーにみます。すなわちたとえば、「借りた2,000円で牛を購入し、搾った牛乳を村中に売り、これだけの収入を得てこれだけずつ返済します」といった事業計画を出すのです。ただし、契約書も担保も一切いりません。こうした無担保少額融資は、ソーシャルビジネスの一種です。ほかにも様々なソーシャルビジネスが、バングラデシュや世界各国に出てきています。実は、福岡にその第一号ができたばかりです。

通常の企業は利益の最大化を目的としますが、ソーシャルビジネスは、社会問題を解決することを目的とします。また、ソーシャルビジネスカンパニーに対する出資者や株主は、自分の出資から利益を得ません。これはすなわち、ビジネスがうまくいけば配当をもらいますが、配当の蓄積額が出資額と同じになったら、それ以上の配当をもらうことはないということです。出資者は出資額までは取り戻せますが、それ以上の利益を得ることはないのです。さらにソーシャルビジネスカンパニーは、自立し、持続していかなければなりません。ここが、NPOやNGO,ボランティアと異なるところです。要するに、寄付や補助金には一切頼らず、自身のビジネスで利益を得ているのです。これがソーシャルビジネスの原則となります。

さて先日、スイスのダボスで行われた会議に参加しました。これは、各国の経済や政治のトップが集まるもので、1970年代にシュワブという人が、欧米の基本的な政治や経済の方向性を話し合う目的で、経済界や政界のキーパーソンを集めたことが始まりです。年々、アジアなどの世界中からの参加者が増え、今年で43回目を迎えました。

今年は、「弾力性のある活力」をテーマとしていました。キッシンジャーやジミー=ソロス、ビル=ゲイツ、ジェフリー=サックス、メルケル首相、キャメロン首相などが集まってきました。VIPだらけですので、機関銃を持ったスイス兵もたくさん立っていました。ユヌス氏もその会議に出席し、講演やパネル、ミーティングを要人と行っていました。その詳細については、次回にお話しします。

分野: その他 |スピーカー: 岡田昌治

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