QTnet モーニングビジネススクール

QTnet
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QTnet モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録

タグ

企業会計の意義

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

12/12/20

前回は、会計の意義及び会計の分類についてお話しましたが、今日は企業会計についてもう少し深くご説明しましょう。

前回お話ししましたように、会計の中での企業はミクロ経済主体と捉えられ、そこで行われている会計が企業会計です。すなわち、企業会計とは、企業において生じた経済活動を貨幣数値により認識、測定、記録、表示する会計のことです。

専門用語になりますが、その会計行為では認識、測定、記録、表示という4段階のことを行っています。会計は企業が行った取引活動、経済活動を記録していくわけですが、計上のタイミングを専門用語では認識といいます。つまり、いつ計上するのかということです。例えば、商品を購入した場合、商品は増えますが、お金は減ります。購入した時点で商品等を計上することを認識と言い、これが第一段階です。

次に、会計では決算書類を作成するために、それを貨幣金額で計上することが必要になり、それを測定といいます。つまり、いくらで計上するのかということです。認識と測定はともに会計上の計上基準です。先の例では、100円の商品を購入したので、商品は100増えますが、現金は100減ります。このようなものを簿記システムを使い会計帳簿に記録していきます。但し、今日ではコンピュータが発達していますので、コンピュータに入力するわけです。今日のコンピュータ会計では、仕訳のパターンが決まっていて、金額さえ入力すると一定のパターンが自動入力されるソフトもあります。

そして、通常1年、半年或いは四半期毎に決算書にまとめ、開示しているのが表示部分です。これについては、投資家からの強いニーズがあり、表示内容等が細かいものになっております。特に国際会計基準(IFRS)などが導入されると、開示部分が従来の2倍から3倍になるといわれます。

次に、企業会計の任務についてですが、これには、主として次の3つのものがあります。まず、(1)企業の業績を表示することです。これは損益計算書で行います。次に、(2)財政状態の表示です。財政状態とは、国家財政の歳入歳出と同様に、資金の入(調達)と出(運用)のことです。この財政状態を貸借対照というストックで有り高を示す決算書類で示します。その右側には借入金等の負債と資本家から出資してもらった資本が来て、左側で資金の運用状況を示しています。このように、資金の調達と運用の状況を表すのが貸借対照表です。最後に、(3)キュッシュフロー状況の明示です。キャッシュフローは、キャッシュは現金、フローは流れですから「現金の流れ」のことです。過去の1会計期間内に、どの位お金が流れた
のか、どう流れたのか、どこから調達して、どう使われていたのかを明示するのが、キャッシュフロー計算書です。

損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書は、経営成績の明示、財政状態の明示、キャッシュフローの状況の明示という目的の為に作成します。それにより、企業の全体の経営状況が把握できるようにするのが会計学の役割であるということになります。

分野: 会計 |スピーカー: 岩崎勇

トップページに戻る

  • RADIKO.JP