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第2話「英国における異文化(1)」

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

12/10/26

英国の異文化
前回は、私が主宰しているケンブリッジ大学英語・学術 研修の話でしたが、そういったことを踏まえて今回からはまた新たなシリーズで、そのイギリスでの異文化体験の様々を語ってみたいというコーナーを展開していこうと思います。

英語の表現、イギリス史とあって、今回の第3シリーズとして「英国の異文化」ということです。
 
 
イギリス英語 
最初に、イギリスと言えば英語の発祥の地というわけなので、どうしても英語に注意がいきます。日本はアメリカ英語を主体にして学校教育が行われていることもありそちらの方に馴染みがあると思うのですが、その慣れた感覚でイギリスに乗り込むと全然違うところがあるので、学生も最初びっくりし「聞き取れない」「準備の時にイギリス英語を聞いてくればよかった」という人が結構います。

例えば、「私はそんな事出来ない」と言う時に" No, I can't. "っていうのを、アメリカ英語だったら「ノーアイキャント」という所をイギリス英語だったら「ノウアイカーント 」という 発音になるので、最初のうちは戸惑うものです。

その違いは人にもよるわけなのですが、実際に現地に行ってみると教科書で学んでいた英語と現地で使われている英語は全然違う、ということを感じるわけです。寧ろ大学の中で先生に喋ってもらう英語の方が聞き取れて、街の中でネイティブスピーカー同士が喋っている英語は全く聞き取れないということはよくあるようです。僕がよく学生に、脅かすのに最初に言う一言があるのですが、「英語圏でスーパーマーケットに行って、レジで最初に 『ダヤニダバ ?』って言われたら 分かるか」と聞きます。

私たちの耳には「ダヤアニダバ 」と聞こえるのですが、これは" Do you need a bag? "と言っていて、bagはいわゆる、紙袋、ポリ袋のことなので「袋は要るか」と聞いているわけです。最初に、「ダヤアニダバ」と言われて意味が分からず、これでまずガンとやられてしまって頭が真っ白になるのだそうです。しかし、これは一度やれば分かるので、そういう恥をあちこちで掻いていただければ、ということです。
 
 
イギリス人の気質 
その他イギリスには「なるほど違う」という部分がありますが、このイギリスの人達というのは日本人にどこか近いところがあるというニュアンスを感じる部分もあります。

例えば、よく困った時に手助けをしてくれるような親切な所があります。向こうの駅でうろうろしていたりすると誰かススっと寄ってきてくれてすぐ助けてくれる、ということを学生もよく報告してくれます。実際本当にそういう場面が多いですし、或いは電車の中でたまたま座席を共有した相手の人がいろんなお喋りをしてくれることもあります。最後に家に寄るよう誘われることすらあって、あまり無用心についていくものではないわけですが、そういった所でイギリス人は、私たち日本人の感覚と似ている所があるという風にいつも思います。

それから、街の中で人々がちょっとぶつかった時に" Sorry, sorry. "を連発しています。そういうことはむやみに言わない、絶対に謝らないといったことをどこかで聞いたりイメージしたりするものですが、実際には、デパートのドアの入り口で、かち合ったりして" After you. "「どうぞお先に。」ぶつかりそうになって" I'm sorry. "「ごめんなさい。」などと、本当にこんなに連発するのかという程しょっちゅう聞きます。

日本人も普段は「すみません、すみません」と言いますが、それに何か近い所があり、それが分かってくると「この文化で私はやっていける」というような感覚をもつようになるようです。ですから、連れていった学生が向こうでホームシックだと騒ぎ出した経験が殆どありません。
  
 
 
また、イギリスは非常に天気が変わりやすい、どんよりとした日が多いということ があるので、恐らく人々もあまり活気がない、ちょっと落ち込み気味というか、そういうイメージを持つ日本人 もいます。天気に限ってはイギリス人も諦めているわけで、天気予報を見ると雨マークと晴れマークと曇りマークが同居しているのが殆どです。今、まわりが曇ってきて、雨が降り出して今日はもう駄目だなと思ったら、5分後には快晴になったというようなことを1日の内に何度も繰り返すなんていうことがざらにあります。ですので、落ち込んでも後は早いということも言えるのではないでしょうか。

それから、イギリスの人が自転車に乗っているイメージもあります。西洋から来ている方で、日本で自転車に乗る光景をよく目にしますが、向こうでも非常に多いです。しかし、日本と違って交通マナーがしっかりしています。自転車 に乗っている人はヘルメットをかぶり、左側を通行し信号に従い、そして右折左折する時に手で合図をするべきです。日本であまりやっている人は見かけませんが、向こうではかなりの人がやっています。通行帯も非常に守られていて、はみ出しているとその辺を行く人に「何をやっている」と言われたりするようなことがあるので、そういうところは本当に良くできており、見習いたいと思います。

このあたりから、イギリス人の気質が見えてくるような気がしないでしょうか。日本人と近いのだけれども、寧ろ日本人よりもどこかはっきり、しっかりしている部分もある、そういうイメージでしょう。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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