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覚えておきたい英語表現~料理編(異文化コミュニケーション/鈴木 右文)

10/09/06

今回は、覚えておきたい英語表現、料理編です。
私も多少料理をしますが、英語ではこういう表現をするというのを、
動詞を中心にして覚えてもらえれば良いなと思っています。
これは、実は、異文化コミュニケーション的にも関係があって、
例えば、「焼く」という表現は、日本語ではどのような場面でも、
「焼く」という言葉を使いますが、英語では、いくつか「焼く」に当たる表現があります。
つまり、文化によって単語の発達が違うのです。
これは、異文化コミュニケーションの勉強にもなっているので、
皆さん知識を少し広めていっていただいて、これから先の色々な仕事のこと、
生活のことに応用していっていただければと思い、紹介しています。


■調理で使う表現

「焼く」という表現を4つご紹介したいと思います。
まず、grillという表現があります。母音がiのところにしかないから、
英語では絶対「リ」を強くしか読めません。
これは、音節やアクセントの復習みたいなものですが、
「グ」を強くは絶対読めないので、気を付けてください。
それでは、通じません。他には、broil、roast、bakeという表現があります。

それぞれの微妙な違いを説明したいと思います。
grillとbroilは、網を使って炭火であることが多いそうです。
もちろん、網と炭がないといけないというわけではありませんが、
そういうことが多いという傾向の話です。
それから、roastはオーブンで焼く時に、多く使われます。
しかも火が直火になっていることも多いです。
ローストチキンを思い浮かべていただけると、おわかりいただけると思います。
bakeは、かまどを使う時に、多く用いる表現です。
パンを焼く時に、大きな鉄板の上に乗せて、かまどの入り口から中に
箒を中に突っ込むようにして入れたりする時のイメージです。
ベーカリーという言い方があるから、パンの印象を持ちますが、
パン以外でも使える表現なのです。

「茹でる」は、皆さんご存知のように、boilです。
難しいのは「炒める」で、lではなくてrの方のfryを用います。
日本語でも、「~フライ」と言うので、フライというと、天ぷら油の中に
ドボンとつけて揚げるものだと思っている人が多いですが、
英語のfryという動詞は、普通鍋に薄く油を引いて
ジュウジュウとやるものなのです。
だから、fryの本来の意味は、「炒める」なのです。
では、「揚げる」をどういうのかと言いますと、これはドボンと中に入れて
フライするので、deep fryという言い方をすることが多いようです。
「煮る」は、simmerといいます。
煮込み料理をする時に使える表現だと思います。
この他にも、実に色々な調理の仕方があるのですが、
日本語独特の表現もあり、これ以上はなかなか分からないところが多いので、
次は下ごしらえの表現をご紹介したいと思います。


■下ごしらえで使う表現

包丁で切る時も、色々な言い方があります。
日本語であれば、「切る」という表現から、cutが思い浮かびますが、
例えば、人参や胡瓜を、5ミリ幅くらいにバンバンバンバンと
切っていくときは、英語では、chopを使います。
ポークチョップのchopです。cutでもいいと思うのですが、
もう少し細かく切るときは、chopで表現します。
もっと細くなると、sliceを使います。厚さで、少しニュアンスが違うわけです。
chopは、どちらかというと、空手チョップのチョップですから、
ぶった切るという感じで、少しワイルドな大きさを想像するわけです。
ぶつ切りのようなものは、チョップという感じです。

同じ切るという表現の中でも、
「角切りをする、さいの目に切る」は、diceを使います。
英語でサイコロは、diceというので、それを動詞にして使います。
みじん切りは、日本語になっていますが、
シュレッダーのshredという動詞を使います。
下ごしらえをする時、皮を剥くときは、これも、日本語にもなっていますが、
ピーラーを動詞にしたpeelと覚えてもいいと思います。
しかし「むく」は、英語に2つ有名な単語がありまして、
pareとpeelの2つの動詞があります。
どちらも同じように使って構わないと思いますが、
通常手で剥く時は、peelを使うようです。
刃物を使う時はどちらでもいいと思いますが、
pareは、特に刃物で剥く時に使われるようです。
「グリグリとすり潰す」は、grindと言います。
また、「おろし金を使っておろす」を、grateと言います。
この、grateは、「偉い」という意味の
greatと同じ発音ですが、スペルは違います。


■国による違い

このように、料理で使う表現は、日本語でも色々なものがあり、
日本語の場合は、~切りにする、~焼きにする、
と言って合成語を作ることが多いです。
しかし、英語では、今回お話した表現のように、
cutの下に、shredがあったり、chopがあったり、sliceがあったりして、
それぞれ別の単語になっていることが多いように感じます。
これは、もともと、日本語が合成語を作りやすい性質がある
ということにも起因していると思います。
国によって、言葉の成り立ちが違いますし、
どういうところに豊かな表現を持っているか、
そうでないかというところの差を知ることも、楽しいと思います。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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