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COP15に関する公共広告のキャンペーン(マーケティング/出頭 則行)

09/11/24

前回はCOP15について話したので、今回は、COP15の
公共広告としての世界的なキャンペーンについての話をします。


■COP15とは

最近、新聞紙面をにぎわしていると思うのですが、COP15は、
12月7日から18日にかけて、デンマークの首都のコペンハーゲンで開かれます。
COP15は、正式な日本語では、
地球温暖化対策各国締約会議と言われています。
Conference of partiesの頭文字をとって、COPと言います。

ニュースで聞くと、気候変動の会議をしているグループととられがちですが、
今、気候変動が一番関心を浴びているからであり、
実際いくつかの別のCOPが流れています。
例えば、貧困撲滅や生物多様性のCOPもあります。
COPは、年に1回開かれて、COPの次に書かれる番号で
何回目と表しています。
年に1回の開催ですから、何年目と数えることもできます。
今年でCOP15なので、12月でもう15回目ということです。

なぜ、COP(conference of parties)と言うかといいますと、皆、この会議は、
国連のもとで、国の代表が話し合うと思っているかもしれませんが、
実を言うと、NPOやNGOなど、たくさん国をまたいだ団体も参加します。
彼らのことを何と呼んでいいか分からないので、「parties」と呼び、
会議を「conference of parties」として、その頭文字をとって、
COPということになったのだと思います。
NPOやNGOも参加して、国連が主軸となっています。
国連も、NPOの親玉みたいなものですからね。


■COP15を盛り上げたい国連

COP15を盛り上げていくのは、国連の役割です。
この会議は、国連が主催をしているような感じになっていて、
潘基文(バン・キムン)国連事務総長にとっては、最大のプロジェクトです。
コフィ・アナン前事務総長は、貧困撲滅を最大のプロジェクトにしていましたが、
今の潘基文(バン・キムン)事務総長は、温暖化を
最大のプロジェクトにしていて、国連の悲願なのです。
今回のコペンハーゲンで開催されるCOP15、ある種のコンセンサスを
形成させ、決裂させまいというのが悲願に近いのです。
そうは言っても、国連もNPOの親玉みたいなところで、
日本も相当な、国連に費用を払っていますが、
実を言うと、台所事情は豊かではありません。

国連傘下のユニセフ(UNICEFF)みたいに、結構豊かなところはありますが、
国連自身は台所事情が豊かではありません。
しかし、この気運を盛り上げることは国連広報の重要な仕事で、
国連広報には、日本は、先の明石広報事務次官、
それから現在の赤阪清隆事務次長という要職を送り込んでいます。
彼らは、広報を含めて、組織を上げて取り組んでいますが、
台所事情が豊かではないので、色んなNPOやNGOを
媒介にしてムードを盛り上げていこうとしています。


■IAAの活動

広告活動ですが、この場合は、ノンプロフィットですから、
広く伝えるというよりも公共的な広告ということになると思います。
公共広告として、NPOやNGOを媒介にして、
気運を盛り上げていこうとしています。
その中の1つのNPOとして、国際広告協会というのがあります。
IAA(International Advertising Association)は、
ほとんどの大手コミュニケーション業はメンバーとなっていて、
国連がIAAに広報の協力の要請をすると、
IAAではメンバーのエージェンシーに協力を募って、
メンバーエージェンシーがアイデアを持ち出し、
クリエーター(コピーライターやアーティスト)を、
プロボノ(Pro bono)、要は、ボランティアで提供しています。
メディアは、無料でスペースやタイムを提供して、キャンペーンを行う
ということが話し合われてきて、実際1つのキャンペーンになっています。


■ホーペンハーゲンとグリーンサンタ

今回は開催地であるコペンハーゲンにちなんで、語呂をとって、
ホーペンハーゲンというキャンペーンが、現に今、行われようとしています。
「ホーペン」という言葉は、ホープとオープンとコペンがかかっています。
ホープとオープンですから、未来の希望を切り開くCOP15、
というような内容でキャンペーンが行われようとしています。
今、ヨーロッパの方に旅行すると、飛行場で、ホーペーンハーゲンという文字の
看板をご覧になるかもしれませんが、それは国連の要請を受けて、
IAAが行っている公共広告であると思っていただければと思います。

もう1つ面白いアイデアで、僕が聞いたのは、例えばグリーンサンタです。
開催が12月で、サンタの季節なので、
赤い服ではなくて緑の服を着せたグリーンサンタクロースに、
世界の町で練り歩いてもらって気運を盛り上げる
なんていうアイデアも出ています。
もし、グリーンの服を来たサンタを見受けたならば、
そのキャンペーンの一貫でしょう。
公共広告に、広告代理店が一緒になって世界でキャンペーンをするのは、
結構珍しい例ですが、今回は業界がちょっと一致しました。
普段はコンペティターで競い合っていますが、
今回は業界として一致して、このCOP15を盛り上げようとしています。
それだけ、環境に対しての意識が高まっているということです。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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