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スーパーマーケットをフィールドスタディする (マーケティング/出頭則行)

09/08/04

今日はスーパーマーケットの話をします。
リテールには無店舗、法人小売、個人小売、デパートなど
様々な分類があります。
一般的に日常雑貨として一番関係があるのは
スーパーマーケットあるいはコンビニなどの
いわゆるセルフ・セレクションの店舗でしょう。
そのスーパーマーケットをフィールドサイエンスとしての
マーケティング的な観点から
フィールドスタディを試みます。

まず商品陳列を考えます。
通常長方形のスーパーであれば左側の壁面に青果物、
入口に対面する壁面には生肉、鮮魚、右の壁面には惣菜、乳製品などが
陳列されていることが多いでしょう。
壁面は大体冷蔵関係です。
これらは台所を満たすような商品であり、
主婦にとってスーパーマーケットの最大のアトラクションです。

壁面から離れると、
中通路を挟んで何列かの商品陳列棚が並んでいます。
ここはゴンドラ(定番)陳列とよばれ
、ゴンドラの両端にも商品が陳列されています。
ここは特にエンド陳列といって、
定番のなかでも目につきやすくスペース価値が高い特等席です。
ゴンドラ、エンドなどの定番陳列のほかに
島陳列、ステージ陳列という、季節商品など
非定期的な商品陳列をおこなうこともありますが、
商品を置く場所によって当然ながら売り上げに違いが出てきます。

 定番陳列のなかにも一等地、二等地があります。
定番陳列の棚数は様々ですが、
商品に手を伸ばしやすいのは肩から臍の間にある棚です。
また、陳列台を前にした左右各1メーター、
合わせて2メーターが買い物客の視野の範囲であり、
同カテゴリの商品を1メートル以上に亘って陳列した場合、
右側の商品から売れてゆく確立が高いのです。
これ以外にも、主婦は平均一回20分弱スーパーマーケットに滞留し買い物する、
左側から旋回する人が多いなど、
今日はスーパーマーケットのフィールドスタディのほんの一端を紹介しました。

些細なようですが、
5%、10%というシェアを争っている企業にとって、
いい陳列棚を確保するというのは命がけの行為なのです。
今度スーパーに行った折、どの商品がエンド陳列をしていて、
ゴンドラ(定番)陳列の一等地をどの商品が取っているか、調べてみてください。
企業間の激しい競争がみえてくるはずです。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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