QTnet モーニングビジネススクール

QTnet
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QTnet モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録

出頭則行教授一覧

プロダクトプレースメント (マーケティング/出頭則行)

08/06/03

■プロダクトプレースメント
テレビ広告の手法として、
プロダクトプレースメントは、
最近よく使われています。
しかし、この手法は
別に新しいものではなく、
昔から用いられてきました。
例えば、
広告主が自動車会社であれば、
刑事物のテレビドラマの中で、
刑事はその自動車会社の車に
乗っています。
また、その他にも、ドラマの中の
台所やお風呂場のシーンで、
広告主の日用雑貨、シャンプー、
リンスといった商品が
並んでいることも多いのです。
こうした例は
プロダクトプレースメントの一種であり、
決して新しい手法ではないのです。


■プロダクトプレースメントの成功例
私が記憶している限りでは、
プロダクトプレースメントが
話題になった最初の例は、
1982年に上映された
スティーブン・スピルバーグ監督の
映画「E.T.」です。
この映画の中で、
物置に隠れたE.T.を誘い出すために、
少年がハーシーの
ピーナッツバターキャラメルを
路上にばらまくシーンがあります。
E.T.はたまらず外に出てきて、
ピーナッツバターキャラメルを
貪り食べます。
このシーンは、明らかな
プロダクトプレースメントであり、
月間の売上げが65%も伸びたという
記念碑的な成功を収めました。


映画「E.T.」を契機に、
プロダクトプレースメントは
一躍脚光を浴び、
使い方によっては
非常に効果があることが
認識され始めました。
その後も、皆さんがよくご存じの
映画「マトリックス」の中では、
サムソンの携帯電話が
多用されています。
しかも、この映画の中では、
単なる商品として
並べられているのではなく、
重要な小道具になっています。
あるいは、「007」シリーズで
ジェームズ・ボンドが、
BMWの車を乗り回すシーンも
有名です。
この場合も、シーンの中で
BMWが重要な役割を果たしています。


■日本における実験的な試み -映画「バブルへGO!!」-
この20年くらいの間、
プロダクトプレースメントは
広告の手法として、
より積極的な役割を負ってきました。
そして最近、日本では、
ある重要な実験が行われました。
プロダクトプレースメントを、
極限まで使用した
映画が製作されたのです。
「バブルへGO!!」という映画なのですが、
ご覧になられたでしょうか。
広末涼子、薬師丸ひろ子、阿部寛
といった俳優が出演している
B級映画の雰囲気と魅力の
漂った映画です。


タイムマシーンを使って、
現代からバブル時代に戻り、
日本を軌道修正しようとする
というストーリーです。
そのタイムマシーンというのが、
日立のドラム式洗濯機でした。
薬師丸ひろ子の演じる
日立研究所の研究者が、
ドラム式の洗濯機を
タイムマシーンにしてしまうのです。
この映画の中では、
商品が単にプレースメント
されているのではなく、
主役級の役割を果たしているのです。
おそらく、世界で初の試みです。


映画としては、超大作という
わけではありませんが、
この試みはまずまずの
成功を収めています。
日立はこの映画を核にして、
店頭で様々なキャンペーンを
展開したことも効を奏し、
ドラム式洗濯機はその時期の
ベストヒット商品になりました。
投資をはるかに超えた
インパクトあったといえます。


■新しい形の広告の模索
プロダクトプレースメントが
万能なわけではありませんが、
この映画のように
1つの実験的な試みが、
日本で行われ始めました。
テレビ広告が
凋落したといわれる中で、
企業やクリエーターは、
様々な形での広告のあり方を
模索しています。


マックルーハンというメディア学者が、
「メディアはメッセージだ」という
有名な言葉を残しています。
実際に現在は、
メディアがメッセージと不可分であり、
メディアそのものが
メッセージになっている時代だと
思います。


情報が氾濫しているだけに、
広告の手法についての
アイデア競争が盛んになっています。
以前の広告業界では、
メディアはメディア、
クリエイティブはクリエイティブと
分けて考えられていました。
クリエイティブは、
ものを考える分だけ、
メディアよりも少し偉い
という感さえありました。
しかし、近年、特に日本では、
メディアがクリエイティブを考え、
クリエイティブもメディアを考える、
といった作品の融合が
表れつつあります。
その意味では、おそらく日本は、
世界で一番進んでいる
国であろうと思われます。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ