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テレビ広告は死んだのか (マーケティング/出頭則行)

08/06/02

今回と次回の2回にわたって、
「テレビ広告は死んだのか」という
テーマでお話しします。


■失われたテレビ広告の効果
このところ頻りと
テレビ広告に効果がなくなった
ということが言われています。
その理由の1つは、
現代が情報過多の時代である
ということです。
当然ながら、人間の
情報摂取能力には限界があります。
以前から、
世の中に溢れている情報は、
個人の情報摂取能力の限界を
超えていると言われていました。
さらに、
インターネットが登場したことによって、
情報が爆発的に氾濫し、
個人の摂取能力を大きく
超えてしまったのです。


典型的な例でいえば、
ジャンクメールはすさまじい量で
送られてきています。
不要な情報を含め、
個人の情報摂取能力を
はるかに超えた量の情報が、
行き交っています。
そのため、
情報伝達の1つの形態である
テレビ広告のインパクトが
弱くなってしまうのは、
当然であるといえます。


また、ケーブルテレビ、BS、
CSを含め、テレビのチャンネルが
多いということも理由の1つです。
例えば、ホテルによっては、
テレビのチャンネルの数が、
40チャンネル、50チャンネルも
あることがあります。
全てのチャンネルの番組を
一度に視聴できるわけでは
ありませんから、
チャンネル数が多いことにより、
テレビ広告の1本当たりの
インパクトは弱くなってしまいます。


それから、
タイムシフト視聴を行う方が
増えているということもあります。
つまり、テレビ番組が
オンエアされている時間に
視聴するのではなく、
ビデオやDVDに録画しておき、
後で視聴するのです。
この場合、ザッピングといって、
広告を早送りしたり、
あるいは機器の機能によって
削除して視聴することになります。
広告を目にすることがありませんので、
明らかに効果は失われてしまいます。


■「ながら視聴」の変化
昔から、テレビは「ながら視聴」を
することが一般的でした。
昔の場合は、料理をしながら、
子供をあやしながら、あるいは
裁縫しながら、テレビを見るといった
「ながら視聴」でした。
しかし、現代の若い人たちは、
まずパソコンにスイッチを入れ、
テレビを見ています。
こうした昔と現在の「ながら視聴」では、
情報接触の態度が
明らかに異なっています。


昔の場合、
料理や裁縫をすることによって、
情報を得ようとしている
わけではありません。
しかし、現在のパソコンに
スイッチを入れる場合は、
パソコンの使用によって
情報を得ようしている一方で、
テレビの情報へも接触しようと
しています。
この新しく登場した
現代の「ながら視聴」では、
情報へ向ける注意が散漫に
なってしまうと考えられます。
例えば、
テレビでニュースを見たときに、
そのニュースについて
詳しく調べたいと思えば、
コマーシャルに入った間に、
パソコンにアクセスしようとするでしょう。


■テレビ局の対応
さらに、
これは一種の悪循環といえますが、
テレビ広告の効果が弱くなると、
その効果を強めるために様々な
工夫が講じられるようになります。
消費者側からすると、
あざとく感じるような
テレビスポットの入れ方が
使用されています。
例えば、クイズ番組では、
いよいよ正解が
明かされようとしている時に、
たいていコマーシャルに入ります。
ドラマでも、サスペンスが
ちょうど盛り上がりを迎えた時に、
広告が入れられることがあります。


理論的にいえば、
こうした広告の使用は
あまり有効とは考えられません。
本来、広告は商品に対する好意を
獲得するためのものです。
ところが、視聴者が
番組の続きを見たい時に、
それを途中でさえぎるように
広告を入れてしまうと、
好意的な感情どころか、
悪いイメージが広告に
定着してしまう可能性が
高くなります。


こうした問題は、広告主も
十分に考えていかなければ
いけないことだと思います。
番組の内容に関してテレビ局に
要望を出す広告主も、
テレビスポットの入れ方については、
あまり要望を出してはいないようです。
番組の続きを見たい時に、
広告でそれをさえぎることが、
果たして品位のあることと
いえるのかという点を含め、
検討すべき問題です。


テレビ広告の効果を
強化する手法の1つとして、
プロダクトプレースメントという
手法が用いられています。
これは、番組のストーリーの中に、
そのまま商品を入れ込んでしまう
という方法です。
次回は、
このプロダクトプレースメントについて、
具体的にお話ししたいと思います。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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