QTnet モーニングビジネススクール

QTnet
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QTnet モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録

永池克明教授一覧

グローバル経営の新潮流(国際ビジネス論/永池)

08/04/07

■自己紹介
私は、大学教授になる前、総合電機メーカー(株)東芝に36年勤務しており
ました。その間、本社の経営企画部をホームベースにして世界各国、色々な所で仕事を
してきました。北米、ヨーロッパ、そして後半はアジア、中国が多かったです。
会社では経営企画部というところに一番長くいました。経営企画部では東芝全体、
東芝グループ全体の長期ビジョンや中期経営計画、全社戦略の策定、その前提と
なる企業環境の調査・予測などの仕事をやっていました。
その後は、産業用エレクトロニクス部門の国際事業部や現地法人で複写機、ノートパソコン、
ファクシミリ、電話などの海外市場における製品・市場戦略やビジネスプランの作成、
海外現地法人の設立のための事前調査や立地候補地の選定、アジア総括部ではアジア
地域全体の戦略や現地法人設立を、最後は経営トップの特別補佐を務めました。
2003年4月に九州大学ビジネススクール教授に転じ、アジアや中国ビジネス論や
国際ビジネスを担当しました。2007年4月から久留米大学で教鞭をとっております。


■「グローバリゼーション」
本年3月に『グローバル経営の新潮流とアジア―新しいビジネス戦略の創造』
という新書版を本を九州大学出版会から出版しました。
この本は、今、世界中を覆い尽くしつつある「グローバリゼーション」
を経営や国際ビジネスの視点から、国、企業、あるいは我々個人自身にとって
どういう意味を持つのかということを掘り下げて、それに対して戦略的にどう
対処すべきかについて提言するのが目的です。
本の冒頭でグローバリゼーションの意味についてふれています。
今、グローバリゼーションというのは、我々個人や地域や都市などとは直接
関係がなく、国や企業が一生懸命対応していけばそれで良いのではないか、
という傍観者的な見方をしていたのではないでしょうか。
しかし、グローバリゼーションというのは、今やまさに企業の中、多国籍企業
の中の活躍の舞台でもあると同時に、世界の各地域や都市、あるいはそこに生き
ている私たち個人に直接大きなインパクトが起きています。
グローバリゼーションの波が、国単位から地域、あるいは都市の単位、そして
企業単位から私達の個人の単位まで及んできたということです。
まず、世界の多国籍企業は、自分の会社の経営資源(人・物・金)だけで、
全てのビジネスをカバーするということが、国際的な企業間競争の中では
困難になってきました。


■ビジネスプロセスアウトソーシング
したがって、日本の多国籍企業も日本だけではなくて、世界全体から良い人材、
良い物、良い情報、良いノウハウ、資金などをかき集め、活用し、それをネット
ワークで結んで仕事をするということが必要になります。
これを、専門用語で言うと、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO,Business
Process Outsourcing)と言います。
自社の経営資源だけではなくて、世界中の経営資源を活用して、初めて
グローバルな市場で世界と競争できるということです。
その中でアジアの各国、各地域、各都市、そして個人が非常に有力な一角として、
有力な仕事を担うようになってきました。


今や、アジアは、単に生産拠点、安くて労働力が豊富だというだけの機能から、
もっと個人のスキルやナレッジなどが期待されるようになってきています。
そうなってくると、ここ九州でもそうですが、世界の都市や地域との競争に
勝ち残っていかないと、自分だけではじり貧になるだけです。
つまり、アジアや中国や世界の活力を上手く導入・活用することです。導入する
ためには九州も世界のネットワークに自ら入っていかなくてはなりません。
また個人であれば、そのネットワークに入れるような能力、スキルを身に付けて
いかなくてはなりません。こういうことが現在、そして将来、大変重要になります。


■福岡のポテンシャリティ
九州が、今後世界にビジネスを広げたいという時のヒントになるようなことを一つ挙げます。
福岡は、全体としてもアジアの他の都市に比べて、人材の蓄積にしても、ナレッジの蓄積に
しても、産業にしても、様々な非常に高いポテンシャリティ(潜在能力を)を持っています。
決してアジアや欧米の主要な都市と比べて遜色がないと思います。
あとは、世界でどのように九州という地域ブランドを確立していくのか、そこが非常に大きな
カギになるし、それをいかに向上させていくかということです。第2に、九州の企業、個人が積極的に、
外(海外)に出ていくこと、外にチャンスを求めていくこと、第3に、世界の人・物・金をいかにうまく魅力的な仕掛けを作って呼び込むかということです。
この3つが出来れば、九州はもっともっと繁栄が期待出来るのではないかと思います。
とはいえ、考えなければならないことは、日本は世界でも最もコストの高い国です。賃金コストも高い。
コストだけの勝負では、アジアや中国の都市には勝てません。人材の質や技術、イノベーション能力等、専門能力で勝負しなければなりません。そのためには世界が欲しがるような人材に投資をする、人材を育てること、その人材が世界に羽ばたくこと、九州に残ることが必要です。また、世界の人材とネットワークでつながり、人材同士でビジネスを担うことも必要になります。そうすれば、世界の資本が自動的に入ってきます。資本や人や情報が入ってくれば、それが集積してまた世界をひきつける。そうしたプラスのサイクルを作っていくことがカギになります。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ