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永池克明教授一覧

BRICS経済の躍進(国際ビジネス論/永池)

08/04/09

■ブリックスとは
「ブリックス(BRICs)」とは、ブラジル、ロシア、インド、
中国といった新興国のことです。
現在、去年の夏発生したアメリカの低所得者向けローンである、
サブプライムローンのこげつき問題が顕在化して以降それが世界的に
波及してしまったため、世界中の主要金融機関が、推計約2千億ドル
(21兆円)の損失を被りました。
アメリカの景気はそれまで比較的堅調だったのですが、かなり減速する
と言われています。
また、EU等先進国、そして日本の株価が大きく値を下げました。
それに加えて100ドル原油や急速な円高のダブルパンチが加わり、
日本の景気は相当減速していくだろうと言われています。
そうした先進国の景気減速を横目に見て、ロシア、インド、中国の3ヵ国
の経済は今2桁台という大変高率で伸びています。
現在、世界経済の成長に対する寄与度の7割位をこのブリックスプラスアジア
の国々が占めています。
欧米先進国は残りの3割くらいという状況でありまして、いやがうえにも
ブリックスに注目せざるを得ません。


■「ブリックスと見る夢」「2050年への夢」
アメリカの投資銀行のゴールドマンサックスが
「ブリックスと見る夢―2050年への夢」という
サブタイトルが付いたレポートを発表しました。
これによりますと、2039年にはこの4ヶ国の経済規模が
主要先進7ヶ国の合計を上回るという驚くべき数字になっています。
更に、2050年にはどういう順番になっているかというと、
1位中国、2位アメリカ、3位インド、4位日本、5位ブラジル、6位ロシア
となっています。
日本もかろうじて4位に残っているということで、意外といったらおかしいのですが、
何とか頑張れる見通しになっています。
最近の新聞情報によりますと、日本の自動車各社のブリックスでの
生産計画を合計しますと、2011年にも生産台数が年500万台を
超えるということで、これは北米における生産を上回るということが
明らかになってきました。
それから、世界の経済成長への各国地域の寄与度を見ると、中国、インドは、新興国の
全体の7割以上を占めています。先ほど申し上げましたが、これはアメリカと比較して、
どれくらい寄与度の違いがあるのかというと、中国はアメリカの2.9倍、約3倍です。
インドもアメリカを上回ります。
日本の貢献というのは中国の12分の1です。
ということで、今世界で新たに富を生み出しているのは、
日米欧ではなくて、むしろブリックスプラス中近東ですね、
つまり、新興国ということが言えるのではないかと思われます。


2050年に1位になると予想されている中国のこれまでの経済成長率を見てみると、
80年代が大体年率9.7%、それから90年代が10%です。
つまり、20年間ほぼ10%ということです。
日本のかつての70年代の高度成長期というのは、
大体10年くらい10%台を続けて、いわゆる奇跡的な
高度成長と言われたのですが、中国の場合20年間それを続けているということで、
これから以降やや減速するのではないかという見方もありますが、
私はよっぽど何か不確定要因が起こらなければ、
基本的には、若干の調整期間があるかもしれませんが、
基調的には今後とも、高い成長が維持出来るのではないか
という考えです。


■これからのアジアにおける日本
日本はこれから、おそらく日本だけでの孤立した成長というのは
難しいと思います。したがって、アジア、中国、そういったところの
バイタリティを上手く活用して、そこの中で、リーダーシップを
発揮していくということが大事であるということになります。
そのために、日本は人材に最も投資をすべきだと思います。
税金を使って、色々な工業団地を作って、土地を造成して、「はい、来てください」
ということも必要かもしれませんが、それよりもむしろ人材にどんどん投資をして、
そして海外でも通用するような人材がたくさん誕生することによって、
技術などが更に強くなるなど、色々なものが充実してくると思います。


それからもう一つ、明治以降今までは「脱亜入欧」といって、
アジアを脱してヨーロッパに近づこうという基本的な国家思想で来たのですが、
今後はおそらく、逆に「脱欧入亜」という位、軸足を先進国からブリックスを中心とした
新興国に目を向けて、もっと一緒に手を組んで伸びていくという
姿勢が必要なのではないかと思います。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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