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コンテナリゼーション(2) (国際経営・国際ロジスティクス/星野)

08/03/11

前回は、
20世紀に起きたロジスティクスの分野における
最大のイノベーションの一つとして、
コンテナ輸送について説明しました。
コンテナという規格化された箱を使って、
貨物を最終目的地まで安全かつ迅速に
輸送することをコンテナリゼーションと呼び、
それには多くの利点があることをお話ししました。
今回は、コンテリゼーションがもたらした
具体的な効果についてお話したいと思います。


■コンテナリゼーションの効果(1) グローバルな貨物の移動
コンテナリゼーションの効果は、
実は、私たちの生活にも深く関わっています。
世界のどこかで生産された多くの多様な商品を、
私たちは当たり前のように手に入れて消費します。
これは、ひとえに
コンテナリゼーションのおかげといえます。


コンテナリゼーションの効果として、
まず挙げられるのが、グローバルな貨物の移動です。
部品の調達、それらを使った製品の組み立てや生産、
そして商品を消費する市場の所在する国は、
今日では必ずしも同一ではありません。
例えば、開発途上国で製造された
部品や原材料を使って、中進国で生産を行い、
先進国の市場に出荷され、そこで顧客が購入する
といった流れが当たり前になっています。
それぞれが最適な場所で行われ、
その間をコンテナが繋いでいます。
農作物や水産物の産地と
消費市場においても同様です。
コンテナによる安定的かつコストの安い輸送が、
こうしたグローバルなサプライ・チェーンを
可能にしているのです。


■コンテナリゼーションの効果(2) 新たな貿易の創出
次に、従来では海上輸送による
輸出入が難しかった貨物が、
貿易の対象になり得るという
新たな貿易の創出効果が考えられます。
具体的には、食品や精密機器、
価格の高い貨物などを例として
挙げることができます。
冷凍の肉であればマイナス18度で、
飲料類であれば摂氏0度から5度程度の
冷蔵状態を最適温度として、
氷温やチルドはそのような状態で、
冷凍・冷蔵コンテナで輸送中も
安定的に設定温度を保ち、
赤道を越えても輸送することが可能です。


一般の貨物船では、輸送中の破損や
水濡れや盗難が心配される
時計や精密機械などの機器類や、
バリューの高い商品であっても、
コンテナ詰めされた後に
ドアに封印(シール)をすることで、
税関の指示のない限り、
輸送途中にドアが開閉されることはありません。
まさに、出発地から目的地までの
安全・確実な輸送が保障されています。


■コンテナリゼーションの効果(3) 輸出入にかかるトータルコストの低下
さらに、コンテナの使用により、
輸出入にかかるトータルなコストを
大幅に低下させることも可能になりました。
貨物の輸出入の費用には、
輸送のための運賃だけでなく、商品の包装や、
荷役といわれる貨物の積み下ろし、
倉庫での保管などが含まれます。
コンテナという密閉性の高い輸送器具の中に、
商品が直接詰め込まれることで、
木枠などを用いた厳重な梱包は
不要になりました。
家電製品であれば、
店舗で購入されたときのパッケージのまま、
工場からコンテナで出荷されることになります。
また、輸出や通関までの一時的な保管も、
中身をばらして物流倉庫を使用しなくても、
コンテナに入った状態で、
コンテナ・ヤードと呼ばれる岸壁の付近に
蔵置することができます。


従来ならば、
安心して確実な輸送を行うためには、
運賃の高い航空輸送に
頼るしかありませんでした。
コンテナリゼーションという比較的安価な
大量輸送システムを拡大させた結果、
企業のグローバルな事業展開が
促進されたことになります。
コンテナなくして、現在のような
多国籍企業の活動やグローバル・ビジネスは
ありえなかったと考えられます。
まさに、ロジスティクスの分野における
大きなイノベーションですね。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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