QTnet モーニングビジネススクール

QTnet
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QTnet モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録

村藤功教授一覧

給油新法案(財務戦略/村藤)

08/02/15

年明けの臨時国会で、
給油新法案、
新テロ特措法案が通りました。
ここで改めて、
どうしてゴダゴダしてしまったのかを
振り返りながら、
今後どうしていかなければならないのか
というお話をしたいと思います。


■給油新法案の成立
まず、給油新法案ですが、
最初はテロ特措法と呼んでいたのを、
途中で名前を変えようという話になりました。
これはアフガニスタンの話ですから、
イラクと混乱してはいけないという意味で、
テロ特措法という言葉をやめて、
給油新法案と呼ぶようにしたもので、
新聞上でも言葉が変わっています。
この法案は、すぐOKになったわけではありません。
最初、2007年の11月に
衆議院を通したのですが、
参議院で民主党が反対しました。
衆議院と参議院の両方とも
自民党が持っているわけではありませんから、
まず国会延長しなくてはいけないということで、
臨時国会を1月15日まで
一月くらい延長しました。


延長した結果、
1月の11日くらいで60日が経ちました。
60日が経ってしまうと、
参議院で否決しなくとも、
否決したと見なして
衆議院の2/3で再可決できるということですが、
今回は60日経った辺りで
野党が否決したということで、
否決の後2/3でまた衆議院で再可決することで
法案を成立させたのです。
今回、補給艦の「おうみ」と「むらさめ」というのは
補給艦2隻でセットなのですが、
もう出航して行きました。
前は補給艦の「ときわ」、
護衛官の「きりさめ」というのが行ったのですが、
今回は佐世保と横須賀の別々の港から
1隻ずつ出て行って、
2月の半ばくらいに
給油を再開する予定になっています。


■テロ特措法の目的
このテロ特措法ですが、
そもそもどういう目的だったのか
確認しておきましょう。
そもそも、イラクとアフガニスタンを
区別しなくてはいけないという話をしましたが、
今回のインド洋の給油というのはイラクではなく、
アフガニスタンの話です。
アフガニスタンというのは、
どういう話かといいますと、
例のセプテンバーイレブンという
2001年9月11日にアメリカ同時多発テロで
ワールドトレードセンターが崩壊した事件がありました。
あの直後に、国際テロ組織の
アルカイダを隠しているという疑いがあった
アフガニスタンのタリバン政権に対して、
アメリカとイギリスが軍事作戦を始めました。
不朽の自由作戦(Operation Enduring Freedom)という
作戦なのですが、
これは実はアメリカやイギリスだけではなくて、
ドイツとフランスを含む
37ヶ国が参加しているのです。


■自衛隊派遣の根拠
イラクのほうは、
アメリカが勝手にやってしまったことで、
ドイツとフランスはかなり怒っていて、
国連決議もなしにやるものに、
お手伝いは出来ませんよということで、
イラクはかなり国際的に非難されています。
ただ、アフガニスタンは
同時テロの後だということもあって、
割とみんな参加していますから、
小沢さんが国連決議なしの活動には
協力できないといっていましたが、
本当にないわけでもないのです。
もともと安保理決議1368というのがあって、
今回もう1回確認するという意味で、
安保理決議1776というような決議があるので、
安保決議が無いかどうかということ自体は、
小沢さんと民主党は無いといっていますが、
少し疑問があります。


小沢さんは小沢さんで、
アフガニスタンの
国際治安支援部隊(ISAF)に
日本も参加すべきではないか
ということを言っています。
小沢さんは元々かなり
強硬なことを言っていて、
自民党にいた頃は、
それこそ国連の決議さえあれば、
軍事作戦に日本が参加したって
憲法違反ではないというようなことを
言っていました。
とにかく国連が
国際協調活動の前提だという考え方で
ずっときているのです。
日本の憲法の中にも、
平和主義というのと
国際協調主義と2つがありますので、
そういう解釈が本当は不可能ではないのです。
ただ、今まではどちらかというと、
そういう立場を
あまり取ってこなかったということで、
日本政府は国連の決議があっても
後方支援くらいにしておこう
という事にしていきました。


■派遣の恒久法化
さて、新テロ特措法案ですが、
もう既に日本の護衛艦は出発しているという、
さきほどの話もありましたが、
これは1年の時限立法です。
では、1年が終わってしまったら
その後はどうするのかというと、
また国会決議をやらなくてはいけません。
毎年、民主党が参議院で反対して、
また60日待つということを
繰り返すのは本当にばかばかしいですから、
本当にやらなくてはいけないことであれば、
恒久法を作らなくてはいけないのではないか
という話も出てきています。


派遣に関する恒久法を
どう作るかというのは、
防衛に関わる非常に難しい問題で、
憲法をどういうふうに解釈するか
ということに関わってきますので、
結構ややこしい問題です。
さきほども言いましたが、
民主党の小沢代表自身は、
元々の持論として、
国連決議さえあれば
武力行使であっても
憲法違反にならないのではないか
というような事を言っていました。
福田さんは国連決議があっても
自衛隊の後方支援くらいにしておくべきだ
というような話をしていて、
どちらかというと積極派の
石破さんなどが中心となって、
以前に作った国際平和協力法案
というものがあるのですが、
これによれば国連決議なんて無くたって
別に武力行使以外のものであれば
自衛隊を派遣してもいいのではないか
というような所まで、
色んな人たちが色んな事を
言っていますので、
簡単にはまとまらないかも知れません。


■今後の政治の行方
民主党の小沢代表は、
福田総理と大連立という話をしたときには、
恒久法の話もしたようです。
小沢代表と福田総理が
どういう話を大連立させようとしたのかは
よくわかりませんが、
じゃあいいですと言って
1回やめてしまったわけです。
私は、今の政治の戦いの本質は、
自民党と民主党の対立ではなく、
高齢者と若手の対立に
なってきつつあると思っています。
しかし現在は自民党と民主党しかありませんから、
これから政治の行方が
どういうふうになっていくかを
予想することは非常に難しいです。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ