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エシカル・コンシューマーと企業活動① (電通九州/小野和美)

07/12/18

■エシカル・コンシューマー
エシカルという言葉をご存じでしょうか。
英語で、ethicalと書き、
倫理的、道徳的という意味です。
このエシカルという言葉が、最近、
消費者や企業を語るときに使われています。
例えば、「エシカル・コンシューマー」は、
直訳すると「倫理的な消費者」ですが、
これは、買い物をする際に、
途上国の人々の暮らしへの影響や
地球環境のことまで考えて選択する
人たちのことを指します。


■エシカル・ファッションとフェアトレード
企業や産業界の一部も、
エシカルな活動に力を入れ始めています。
例えば、欧米のファッション業界は、
「エシカル・ファッション」に着目しています。
ここでの代表的な取り組みは、
フェアトレードの素材を使用することです。
フェアトレードとは、
途上国の生産者の経済的自立を促す公正な取引のことで、
労働者に対する公正な賃金の支払いや、
長期的な雇用の保証などが取り決められています。


海外のモデルやセレブの間では、
フェアトレードのオーガニックコットンを使用した
洋服が人気と聞きます。
それは彼・彼女達から社会へのメッセージであり、
ステータスでもあるのでしょう。
確かに、どんなに価格が安くても、
それが途上国の労働者の人権を無視し、
安い賃金と劣悪な労働条件で搾取した商品だったら
いい気持ちはしません。
フェアトレードマークのついた素材を選ぶことで
それを避けられるのなら、
少しくらい高くてもエシカルな方を選びたい
と思う人たちが出現しているわけです。


■社会貢献型ビジネスモデル
フェアトレード以外にも、
エシカルな活動を行っている事例があります。
ニューヨークのトムズ・シューズという
デッキシューズのブランドは、
お客様が1足靴を買うと、
それと同じデザインの靴を1足、
恵まれない子供たちにプレゼントする
仕組みになっています。
その分のコストが価格に織り込まれていますが、
さほど高くもありません。
主催者が自ら南アフリカやアルゼンチンに出向き、
子供たちに靴を手渡ししているのも
このプロジェクトのこだわりです。


■エコバッグをめぐる動き
エシカル・ファッションといえば、この夏、
ニュースで大々的に報道された出来事がありました。
ある有名なバッグのブランドが
エコバックを発売したところ、
全国で開店前から長蛇の列ができ、
大騒動になったのです。
そのエコバッグは、
環境保護団体と提携して企画したもので、
環境問題を自分の問題として真剣に考え直す
契機にしてほしいという願いから、
破格の値段で発売されました。
有名ブランドの限定品ということと、
値ごろ感が話題を呼び、
即、売り切れとなりました。


フェアトレード素材にしても、エコバッグにしても、
かつては“正しいけど、おしゃれじゃない”
という印象があったかもしれません。
しかし、トップブランドの参画でイメージが変わり、
より多くの人たちの関心をひくきっかけになるのなら
意義のあることだと思います。


ちなみに、環境省が本年3月に発表した調査によると、
日本におけるエコバッグ(マイバッグ)の
所有率は6割でした。
まだまだ定着したとはいえませんが、
今後は徐々に“エコバッグを持つことが当たり前”
の社会になっていくかもしれません。

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