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五十嵐伸吾准教授一覧

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中国のベンチャー事情 その2(ベンチャー企業/五十嵐)

07/12/03

前回から中国のベンチャー事情をお話ししております。
今日は具体的にどういうベンチャーがあるのか
というお話をしようと思います。
以前に起業機会の発見についてお話しましたが、
中国の例から、足下に機会はあるのだという
例に持って行きたいと思います。


■北京辰星有限公司
今日紹介するのが、北京辰星有限公司
(Beijin Jin Sung Co.,Ltd)です。
これは2006年に設立されたビルの管理会社です。
この会社の創業者であり総経理(社長)は、
金煉紅さんという女性です。


■金煉紅氏のキャリア
起業機会の発見については金さんの
キャリアが大きく影響していました。
どうしてこのような起業機会を見つけたのかと
彼女に尋ねました。


最初に、お話しておかなければ行けないのは
中国の就職事情です。
中国は今、ベビーブーマー世代で、大学に入るのも大変、
大学院に入るのも大変、
当然、就職するのも非常に大変です。
優良企業に入社するのも大変です。
就職に際しては厳しい競争が行われます。


その中で、彼女は学歴については
はっきりは語ってくれなかったので、
そんなに良い大学の卒業生ではなかったようです。
大学卒業後、最初に就職したのは、
韓国系のトゼングループという、
貿易の会社だったそうです。
その会社で働いているうちに、
韓国大手のLG電子が北京に進出してきたそうです。
彼女は上手く転職することができたそうです。
転職の理由は、待遇が極めて良かったからだったそうです。


ところが、
確かに年収は格段に上がったのですが、
仕事が大変辛かったそうです。
5年間、LGで購買を担当したそうですが、
非常にプレッシャーがきつい職場で、
精神的にしんどくなり、
再度、転職しようと決心。
彼女の叔母が経営していた
家具屋さんに勤めることになりました。


■ビジネスチャンスの発見
このLG電子と家具販売会社という2つの職場を
経験することにより、
彼女は起業機会を見出しました。
北京ではオフィス向けの高層ビルが
続けざまに何十棟も建設されており、
それに呼応して、オフィス向けの家具の需要も
急成長していることがわかりました。
しかし、家具を購入して、そのままにすると
だんだんと痛んできます。
家具販売会社にいると新規の需要と、
耐用年数より短い更新需要が多かったとのことです。
LG電子での経験に照らし合わせても、
補修とかメンテナンスが十分に行われていなかったことに
思い当たりました。


実は、中国には、
ビルを管理するという会社は
全くなかったそうです。
それならば、ここにチャンスも
拡大していると考え、
ビル内の清掃からビルメンテナンスまで行う
ビジネスを立ち上げることを思い付きました。


この企画をLG電子時代の友人(韓国人)に
相談したところ、
「それは非常に面白い、是非やってみたらどうか、
ついては自分も一緒にやりたい」
と言って、
彼も会社を辞めて、
一緒にビジネスを始めることになりました。


事業を大きくするためには
信用を築くことが第一です。
ビルメンテナンスのようなビジネスは、
特に信用商売だと言えます。
2人ともLG電子出身であったので、
最初のターゲットをLG電子に定め、
2人で掛け合いに行ったそうです。


LG電子は、北京駅に近隣東方の
新興ビジネス街である永安里建国門外大街に所在する
高層のツインタワービルに入居しています。


つまりLG電子に、このツインタワービル管理を
全部私たちが立ち上げる新しい会社にやらせてくれないか?
と交渉したのです。
結果は、見事にうまく行きました。
LG電子が全て任せてきれたのです。


■会社の現状
現在の社員は100名弱です。
スタッフは6名で現場監督が8名です。
この8名は他で清掃の仕事を
やってきた経験者で、
残りの作業員を管理するのが仕事です。
この8人は全てスカウトして来ました。
残りの作業員は、すべてパートです。
そうすることで、コストセーブを考えています。


一方で、清掃を始めメンテナンス品質を
保障するために
独自のマニュアルを作って
管理品質が管理者やチームが変わっても、
平準化できるような仕組みを作っています。


先ほど述べたように、この管理ビジネスは
昔の伝手を使い、LG電子の巨大ビルの
メンテナンスを一括して請け負う形で
スタートしています。


起業して1年ですが、
まずはこのビルに集中して、
メンテナンス品質を保つシステムを確立するとともに
このビルは目立つビルですから、このビルのメンテナンスを
任されているという評判を確立することを優先させています。
すでにお話しましたが、
北京ではオフィスビルはどんどん
立ち上がっているので、
厳しいLG電子に評価された
ということになれば、
市場から信任を得られ、事業拡大は
より用意なものとなるでしょう。


■今後のビジネスチャンスの展開
今後のビジネス展開について彼女に尋ねました。
ビルのメンテナンスでは、他にライバルの参入もあるだろうと
尋ねたわけです。
それに対する回答は。
別にオフィスビルでなくても、
例えばマンションのような集合住宅も
対象になるだろうし、個々の家を
取りまとめることも出来ます。
それ以外でも建物の
ネズミやゴキブリ等の駆除や、
家具等の保守、外壁のリペアなど、
ビルメンテナンスを中心に周囲にはいくらでも
進出可能なビジネスチャンスが
転がっているから
ということでした。


今回は中国・北京での例をお話したのですが
この例からわかるように、日本で起業を志す人も、
自分の周りによく見ると、
起業のチャンスというのはあちらこちらに落ちていますので、
是非、目を皿にして探してみることをお勧めします。

分野: 五十嵐伸吾准教授 |スピーカー:

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