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鈴木右文准教授一覧

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ケンブリッジ大学での英語研修(3) (異文化コミュニケーション/鈴木)

07/09/26

■イギリスのケンブリッジ大学で学ぶ意義
ケンブリッジ大学では、
場所を借りて他の学校がサマースクールを
行うというケースは多々あります。
ですが、ケンブリッジ大学の部局が直接、
責任運営しているサマープログラム、
あるいは英語研修プログラムは貴重です。
イギリスは権威主義、良い意味で
誇り高いところがあります。
例えば、アメリカの
ハーバード大学の創始者も
ケンブリッジ大学の出身です。
だから自分たちは世界最高峰であることを
自認しています。ですが、
それが少しもいやみに感じません。
このアカデミズムの厳かな雰囲気の中で
勉強できるという意義がこの研修にはあります。


現在、イギリスではなく、
アメリカに留学したいという方も増えています。
その中でイギリスでの研修を
実施していますが、その辺を気にして
この研修への参加をやめようという学生は少ないです。
イギリスでは、ごく標準的な
イギリス英語で研修を行いますが、
いかにもイギリス人にしか通用しないような
特殊なことをするのではありません。


もちろん研修の値段としては、
例えばオーストラリアや
ニュージーランドの方が安かったりします。
しかし、イギリスへの思い入れを
持っている人も多いようです。
例えば運動をやっていて、
ウィンブルドンに行ってみたいとか、
あるいは音楽をやっていて
イギリスのグループに興味がある、
サッカーが大好きだといった話があります。
この研修には、イギリスに興味があって
応募してきたという学生も多いです。


■研修の運営をひとりで行う大変さ
この研修は、
前任者から引き継いだ後、
事実上1人で何もかもやっています。
大学の公式行事でない関係で、
本当に何でもやらないといけない立場です。
その中でいろいろと難しいこともあります。
「運営」というところで難しい点を、
参考としていくつか述べてみたいと思います。
まず、一般のツアーと同じように、
最低催行人員というものがあります。
現地大学との契約を結びますので、
25名から35名という枠で
料金を納めることになっています。
そのため、25名集められない場合は
差の人数分だけ余計に
お金を払うことになりますが、
実はそれだけの余裕はありません。
そのため、
25から35人で上手く収まるように
いつも気が気じゃありません。
募集のために、宣伝をしたり、
手を変え品を変え、
踏ん張っているという状態です。


また、研修にかかる費用を
押さえるためにも工夫が必要です。
この3週間の研修にかかる費用は、
毎年変動するということもあり
公開しないことにしていますが、
実際に行かれる方には、
説明をして納得した上で
行ってもらっています。
しかし、
春休みにオーストラリアに行って
外国語学校で研修を行う例に比べれば、
倍くらいの価格になると思ってください。
価格は非常に厳しく、
価格を上げないために毎日が大変です。
イギリスもインフレ率が3%位ありますから、
少しずつ上がっていきます。
日本は今インフレ状態ではないので、
料金は上がりっぱなしという
基調になります。
それを押さえるためにどうするか
という工夫が大変です。


旅行会社にも、
私自身が掛け合っています。
何もかも投げてしまうという形は
全く取っていないので、
航空券を手配してくれる会社と
交渉して往復の交通を手配し、
そして現地のケンブリッジ大学との
やりとりも私が全部1人で行い
全体をコーディネートしています。
大変な作業なのですが、
大事な仕事の1つだと思って
頑張っています。
また、料金が高い分、
学生としても期待しているところが
大きくなります。
「これだけの料金払うのだから、
たいしたものでなかったら、
後でどうなるかわからんぞ」という、
そういう殺気だった目を感じることも
時々ありますね。
逆にそれがやりがいとして
私に作用する部分もあります。


■ひとりで運営することの利点
あともしこれが
大学の公式行事であれば、
責任体制を細かく決めて
報告することが必要になります。
あるいは何かこういうことを
やってみようというときに、
自分だけの判断ではなく、
例えば委員会や
国際交流関係の会議を経る
必要があるという話になります。
自分がこういうものをまとめて、
やり遂げたという実感を持つには
やはり1人でやっている方が身軽で、
しかも充足感を得られると思いますね。
それがケンブリッジ大学に来ている
他大学との違いです。


そのため、
私にとってこの研修は、
1、2を争うくらいの
大きな行事になっています。
長いときには、1年半ほど
学生と関わる場合もあり、
そうすると今年行く人と
来年行く人の間で行事が重複し、
1年中大わらわという状態です。
今日は、この研修に参加した
九州大学ビジネススクールの
助教の藤村さんが
横にいるのですがどうでしたか。


「実は九大の学生の頃から、
この研修のことを知っていて、
ずっと行きたいと思っていました。
鈴木先生には、
ビジネススクールという場所で知り合い
今回参加させていただきました。
先生がおっしゃるように、
この研修は安くはありませんが、
戻ってきた学生は
プライスレスな経験、
お金で買えない経験だったと言っています。
私もそう思います。
良い機会をいただけて、
本当に有難うございました」

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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