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鈴木右文准教授一覧

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ケンブリッジ大学での英語研修(2)(異文化コミュニケーション/鈴木)

07/09/25

■ケンブリッジ大学のプログラムの内容
前回に引き続き、
ケンブリッジ大学での英語研修についてお話します。
まず、ケンブリッジ大学ですが、
ここには30いくつかのカレッジがあります。
英語研修は、そのなかの
ペンブロックカレッジの責任運営による
サマースクールに参加していることになります。
ケンブリッジ大学の部局が、
直接英語研修のプログラム行うのは少なくて、
国立ではおそらく九州大学だけの参加だと思います。
もちろん九大といっても公式行事としてではなく、
私が全て面倒を見ており、形式上は
私的なツアーということになりますが、
大学内でも広報してもらい後押しは受けている形です。


この研修では、
ケンブリッジ大学で現に教えている先生や
過去に教えていた先生、あるいは
ペンブロックカレッジが責任を持って選定した
先生方に教えを請うことになります。
そして現地の学生に
ティーチングアシスタントについてもらい、
様々な勉強の面倒や交流の行事を企画してもらいます。


■英語科目と専門科目の受講
もちろん英語の勉強が中心ですが、
それと同じくらいの時間数、
専門科目の講義を受けています。
それは3つの選択の枠があり、その内から選びます。
今年の場合でいえば、天文学、建築美術のような
科目からひとつを選びます。
この専門科目は、英語の勉強が主な目的ではなく、
ケンブリッジ大学で学術的な講義を受けることが目的です。


そのためにも、
研修の前に行う9ヶ月の事前準備は、重要です。
例えば、天文学の講義では、
あらかじめいろいろな資料を配り、
専門用語を英語で勉強するという
用意をしてもらいました。というのも、
皆さん専門用語を英語で言ったとたんに
分からなくなることがあります。
しかしそこでつまずくのでは勿体ないことなので、
事前にしっかり準備をしようとしています。


このケンブリッジ大学の
プログラムに参加している他の大学もありますが、
多くは大体1ヶ月か2ヶ月前に募集をかけており、
事前準備をあまりしてこないところが多いようです。
その点、九大は自慢になるかと思っています。
例えば、現地研修は大体8月に行われますが、
募集は前年の5月から始まります。
そのため、長い学生にとっては
1年半にわたって関わることになります。
大学に来ている間の半分近くを
研修に捧げている形になりますね。


そして、参加する学生の選抜ですが、
これは私の方で選考させていただいています。
毎年、この方だともしかしたら問題があるかなというような、
引っかかるところがある学生さんには
遠慮してもらっていますが、
申し込まれた学生さんの9割程度は
研修に参加してもらっています。
九大生の場合は9割程度の方を選んでも、
ケンブリッジ大学での授業にはついていけると思っていますし、
現地でも九大の学生はいいよと言ってくれていますので、
その辺はあまり心配していません。
その後は、事前準備として、
英語の勉強、イギリスの社会や文化の勉強、
そして週末旅行の準備。それに関わる
様々な知識を身につけるということを中心に準備しています。


■現地での交流
現地の学生との交流は、
夜が中心になりますが、いろいろな行事を企画してくれます。
食事会やスポーツ、あるいは劇を見に行ったりします。
ケンブリッジはケム川という川で船をこぐ
ボート遊びが「パンティング」といって有名なのですが、
そういう企画もあります。
そしてもちろん勉強の手伝いもしてくれます。
授業で分からなかった点の質問も答えてくれます。
彼らとは非常に濃い交わりになりますね。


また、ケンブリッジ大学では、
晩餐会が週に1回行われます。
ハリー・ポッターの映画に、
食事のとき学生が集まって校長が
いろいろ講釈を述べる場面がありますが、
あれはオックスフォード大学の
クライストチャーチカレッジというところで撮っています。
それと同じようなホールが、
ケンブリッジの各カレッジにあって、
そこで晩餐会をします。
皆さんフォーマルな出で立ちで、
まさにハリー・ポッターの雰囲気を
地でいくような体験です。
日本の学生にとっては、
本当に初めての体験だと思いますね。
非常に厳かな晩餐会です。


こうして、同じ釜の飯を
食べるという経験を30強の学生が体験しますが、
その効果は絶大ですね。
去年の夏に研修に参加した学生達が、
まだBBS上で毎日楽しそうにおしゃべりをしています。
その前年の学生達は、卒業するときにまた会っています。
他のグループじゃなく、このケンブリッジに
行ったグループで卒業後にもまた集まりたいというくらいです。
私も呼ばれたりするのですが、
それくらいの一体感が出てきます。
最近の学生には、こういう機会があまりありませんので、
私としても良い機会を提供できているなと
満足している部分があります。
日本の中ではなく限られた3週間の中で、
一生懸命やろうとしている文脈の中で
行われるこの研修ですが、効果は絶大です。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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