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鈴木右文准教授一覧

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ケンブリッジ大学での英語研修(1)(異文化コミュニケーション/鈴木)

07/09/24

今年の夏、
いろいろな学部に所属する
学生30人ばかりを連れて、
イギリスのケンブリッジ大学へ行ってきました。
これは、九州大学の公式行事ではありませんが、
毎年、全学から集められた約30人の学生を連れて、
ケンブリッジ大学での語学及び専門科目の
体験をする研修を実施しています。
期間はおよそ3週間強くらいです。
その中で、ユニークな体験や勉強の方法といったものを、
今日から6回のシリーズでお伝えしようと思います。


■研修がはじまったいきさつ
この研修の実施は今年で12回目となり、
私の前任者が始めたものです。
なぜこの研修を始めたのかというと、
前任者の方がイギリスへ留学していた頃に
非常に良い体験をし、学問的な刺激を受けた。
これをぜひ九大の学生達にも
味合わせたいということで、始まった研修です。


ここで研修の意義について少し述べます。
イギリスのケンブリッジ大学といえば、
アカデミズムの最高峰です。
これを経験するということが1つあります。
また、週末には学生はあちらこちらへと
自由旅行をしますので、
ケンブリッジ以外のイギリスで
異文化体験をするということも意義のひとつです。


3つめには、この研修では、
事前研修として9ヶ月ほどにわたって、
いろいろな事前準備をします。
ここで、訪問するところ、
イギリスの文化その他の学習、
もちろん英語そのものを学習します。
この事前学習を深めることも研修にとって重要なことです。


■事前研修の9ヶ月をどう過ごすか
事前研修の9ヶ月。
これを長いと思う人もいるかもしれませんが、
研修が終わり学生に聞いてみると、
あれだけ準備をしたからこそ
本番の研修が非常に充実したものになった、
良かったという評価を頂いています。


この事前研修について詳しく説明すると、
英語の勉強はもちろんですが、
イギリスに関する様々な書籍を調べてみたり、
映画を見たり、あるいは、イギリスでの週末旅行の手配です。
この週末旅行は、業者に頼めばいろいろしてくれますが、
全て手作りで準備しようということになっています。
イギリスでの交通体系、宿の手配、
あるいはどこに何があるかといった勉強まで
学生自身が行います。
そういうことをきちんとやろうといったことが狙いです。


■研修から得られるもの:仲間をつくる
研修で何が得られるか。
まず、最近の学生は、
3週間半にわたって同じ釜の飯を食べるという
体験をすることがなかなかありません。
そのためか、毎年、研修に
参加した学生は非常に仲が良くなります。
なかには、一生の友達を得たと喜んでいる人も多いです。
やはり最近の学生さんは、
互いに自分の内面をさらけ出し合うというような、
70年代80年代の青春みたいなことがあまりないので、
こういう体験を通して非常に新しい物を
発見したという感覚にとらわれるようです。
集団の中で楽しいことをやっていく、
集団の中で合意を形成して、
準備を進めていくということが体験できる。
ここから得られるものも多いように思いますね。
もちろん英語の上達もあると思います。


■研修から得られるもの:英語学習の動機づけ、その他
英語の学習という点では、
大学の中だけだと、シチュエーション的に
盛り上がらないという部分がありますが、
この研修は、動機づけという意味では
非常にいいと思います。
9ヶ月後にイギリスでの研修があるということで、
震え立つというようなところが
非常に良い後押しとなっています。
普段の日本や大学での学習に比べれば、
現地の興奮、あるいは現地に行くと決めた後での
覚悟があるかないかで随分違います。
遙かに桁違いだと言えると思います。


同時に、イギリスに対しての
興味やものの見方が、
行く前と後では大きく異なりますね。
毎回必ずそうなのですが、
行ってみてこんな風だとは思わなかったと
もちろんいい意味で評価してくれます。
現地を見ると見ないとでは、全然違います。
しかも出先はケンブリッジ大学です。
世界レベルの学生や先生方に囲まれた刺激は大きいですね。
そこを中心に体験した異文化体験は非常に上質だと思います。


それから、学生はイギリスでの
勉強以外での過ごし方もいろいろと工夫しています。
過去に研修に参加した学生達が
「こういう過ごし方をするといいよ」と
いったアドバイスをたくさんくれますので、
最近の学生達は、それを全てこなすことが
出来なくて悔しいというくらい楽しんでいるようです。
勉強に打ち込んで、自分を磨いて良かったという面も、
もちろんありますね。


■事前の準備が現地での経験を実のあるものにする
では、現地へ行けばそれでよいのか。
そうではないと思います。
もちろん日本の国内で出来ることもたくさんあります。
それをきちんとした上で、それから出ていく。
それが1番効果的です。だから、
事前研修の期間を長期に取っています。
現地にいきなり行って、
結局何も身につかずに帰ってきた人が多いのは
何故だろうという記事が最近の新聞の記事でも出ていますが、
しっかり準備を積まないとやはり実にならないということだと思います。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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