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MOTとは (産学連携/高田)

06/12/07

ここ数年、MOTという言葉が注目を集めており、
実際に耳にする方も多いと思います。
今回は、MOTとは何か?
ということにについてお話ししたいと思います。


■ MOTとは?

MOTとは、“Management of Technology”の略で、
直訳すると技術経営ということになります。
つまり、技術資源を戦略的に経営に活用し、
ビジネスの成功に結びつける考え方です。


多額の投資をして優れた先端技術を開発しても、
会社の儲けにはつながらない― 
これでは企業として全く意味がありませんが、
多くの技術系企業がこういった事態に陥りがちです。
これまでの日本企業には
そのような会社が多かったのではないか
という反省から、近年我国においても
MOTが注目されるようになってきました。


MOTの原点はアポロ計画とも言われています。
巨大プロジェクトの成功のためには
膨大な関連技術の統合とマネジメントが必要であり、
このためにNASAがマサチューセッツ工科大学に
そのマネジメントのあり方について
研究を委託したことに端を発します。


以降、アメリカの各大学で
技術経営とはどういったことなのか、
どのような教育を行えば人材が育つのか
ということをそれぞれに研究し始め、1980年代には
大学院教育プログラムが開始されるに至ります。
こうしてMOTは全米に広がっていきました。


MOTの教育体系は、
研究開発や製品開発の企画やマネジメント、
技術マーケティング、技術予測や評価、
イノベーションのマネジメント、生産管理、
知的財産管理、技術移転、科学技術・産業政策立案、
IT技術、ロジスティックス技術等々、
幅広い科目から構成されます。


■ 我国におけるMOT人材の育成への取り組み

日本では、2003年から経済産業省が、
5年間で1万人のMOT人材を育成することを目標に、
大学などのカリキュラム開発などを支援しています。


また、昨年は
MOT系の専門職大学院10校が集まって
MOT協議会という組織を設立し、
MOT教育に関して大学同士が横の連携を取り始めました。
この協議会の主催で、12月18日には
『MOT人材がもたらすイノベーション』
と題したシンポジウムが東京で開催されます。
MOT協議会のホームページで情報が提供されているので、
興味のある方は是非アクセスして頂ければと思います。


■ QBSのMOT教育

QBSは、設立当初から
MOTを教育の柱の1つに位置づけ
人材育成を行っています。
QBSの特徴は、MOTカリキュラムが
単独で存在する“MOTスクール“ではなく、
一般的なビジネススクールが提供する
マーケティングやファイナンス、企業戦略、
人的資源管理、リスク管理、倫理など
ベーシックな科目を同時に提供するところにあります。
このため、”技術を経営の力に結びつける“
というMOTを、より深く理解し、修得することができます。


QBSの一般入試はつい先日終了しましたが、
年明けには『特別選抜枠』の募集を行います。
これは、特にMOTとアジアビジネスについて
人材育成を図りたい企業から、
該当する社内人材の推薦を受け、
その方々に対して入試を行うものです。
詳細はQBSのホームページで開示されています。
MOT人材の育成を図りたい地元企業経営者の皆さんに、
是非関心をお持ち頂きたいプログラムです。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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