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インターナショナル・スクール -外資系企業の進出の環境整備-(国際経営/星野)

06/11/20

■両親の海外赴任に伴う子供の教育環境の問題
今日は外資系企業の進出の
環境整備についてお話をしたいと思います。
中国の上海に進出する日本企業は
親会社の数だけで計算しても1,200社前後と言われています。
一方で福岡に進出している外資系企業の数は、
日本法人の本社を置いているところで18社、
九州全体でも27社に過ぎません。非常に少ないですよね。
このBBIQモーニング・ビジネススクールでも、
より多くの外資系企業が九州に進出するために、
投資環境を高める必要性について何度かお話しをしてきました。
今日はその一つとして子女教育のための環境づくりを取り上げたいと思います。


海外で最大の生徒数を誇る上海の日本人学校で、
先日開校20周年の記念式典が開催されたとのニュースがありました。
この学校は1976年に児童数7名で補修校としてスタートし、
正式には1987年の開校となるようです。
日本から進出する企業の多さを反映して、
今まで海外で最大であったタイのバンコクの
日本人学校を抜いて生徒数2,383名で最大になったとのことでした。


ご両親が海外に赴任する場合に、
その子弟は国内に残るという選択とともに、
現地校に入学すること、日本人学校に入学することが考えられるかと思います。
国内のカリキュラムに準拠し、
受験にハンディの少ない日本人学校に通うことは、
海外勤務において大きな問題の解決につながるかと思います。
それは海外から日本に赴任してこられる方にとっても同様です。
あるいは海外から日本にこられる方であれば、
日本語で学ぶというハンディキャップを考えると、
勤務する場所にインターナショナル・スクールなどが
設置されていることは、非常に大きな魅力かもしれません。


■教育環境の評価の高い神戸の例
福岡と規模の近い神戸には、
国際的にも高く評価されるカナディアン・アカデミーという学校や、
1世紀以上の歴史を誇る中華同文学校、
マリスト・ブラザーズ・インターナショナル、
聖ミカエルなどのインターナショナル・スクールがありますが、
以前はそれに加えてノルウエイジアン・スクールや
ドイッチェ・シェーレと言われるヨーロッパ系の学校もありました。


神戸には、世界的な多国籍企業として
アメリカのプロクター&ギャンブル社やスイスのネスレなどが
日本の本社を置いています。これらの企業が、
東京ではなく神戸に進出した理由は、
社員の居住環境の良さが評価された結果だそうです。


もちろん、その居住環境の中には、
子弟の教育環境も重視されているのでしょう。
そう考えると外資系企業の進出には、
企業立地としての知名度の高さ、
海外や国内からのアクセスの良さ、
あるいは輸出入などの施設の整備、
良質な労働力の確保などと並んで、
やはり居住環境の良さも欠かせないということになります。


■九州の教育環境の整備
外国人の子弟が
日本で教育を受けるためには、
海外の日本人と同様に、一般の学校に通学するほかには、
学校教育法の第一条に定められた「一条校」と言われる
日英二か国で学ぶバイリンガル・スクールで学ぶこと、
あるいは学校教育法では「各種学校」に位置付けられる
インターナショナル・スクールがあります。


九州では唯一福岡の百道に、
FIS福岡インターナショナル・スクールがあります。
しかしここには幼児科から高等科まで定員の200名以上が
現在在籍していますが、校舎が手狭な上にスクールバスもないため、
近隣に居住しないかぎり、通学も難しいといえます。


東京には、
12校のインターナショナル・スクールが集中しています。
これは東京ですから当然なのかもしれませんが、
やはり外国企業が本格的に進出を考える時には、
このようなファクターも非常に重要なのではないかと思います。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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