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永池克明教授一覧

九州からアジアへ,アジアから九州へ - 非製造業もアジアと無縁ではない- (中国ビジネス/永池)

06/06/28

今日は,九州の非製造業やサービス業も
アジアとは無縁ではないということをお話します。


■アジアや中国といえば製造業という誤解
今,中国を中心として
アジアが非常に大きく経済成長をしています。
今,九州からは主として製造業が進出していて,
アジアや中国ビジネスを推進しています。
一方,福岡などでは,産業の約7割が
非製造業やサービス業ですが,
これらの産業では自分たちは
あまり中国とかアジアとは関係ないとか,
九州でも国内ビジネスを従来通りやっていれば
なんとかビジネスは安泰だと考えておられる企業が結構多いように思います。

ところが,国内の経済成長は,
過去10年間ほとんどなく,
今度もおそらくゼロなり1%くらいの経済成長しか期待出来ない。
少子高齢化に伴い,経済成長に限界が出てくる。
非製造業,サービス業に関しても
これからビジネスを成長させていこうとすれば,
お隣のアジアとか中国など高成長している国々と
多様な関係を持つことによって成長の活力を得ることが
必要であろうと思います。

■ アジアや中国とどう関わるか
アジアや中国が九州へ来るのか,
九州からアジアや中国へ乗り込むのか,
これは大きなポイントとなります。
私は,いわゆる産業連関論的な発想が必要で,
風が吹けば桶屋が儲かる的なぐるぐると
産業間で関係が出てくることを活用すべきと思っています。
これは製造業だけでなく,
巡り巡ってサービス業,非製造業にも
アジアの活力を取り込んでいけるということなのです。
そのチャンスは出る方と入る方の両方があると思います。

■アジアへ進出する九州の非製造業企業
最近では福岡の非製造業の企業も
積極的にアジアへ出て行って
ビジネスチャンスを掴もうとしている例もあります。
例えば,電力会社さんが
中国に風力発電を設立するとか,
あるいは鉄道会社が中国で航空物流をやったり、
韓国との高速船をやっています。
最近変わった例では,
麻生塾さんが中国の大連で
ITやソフトウェアの人材育成の学校をつくりました。
非製造業,サービス業でも積極的に
アジア・中国でビジネスチャンスを拡大しようとする動きがあるわけです。

しかし,非製造業は
どちらかと言えばアジアビジネスで
本当の意味のポテンシャリティ(潜在能力)を発揮出来ていない、
本気でやっていないのではないかと思います。
製造業がいろいろ頑張っていくと,
それに関連するサポートサービスや
関連するビジネスがいろいろと出てきます。
例えば,コンサルティングだとか
ソフトウェアサポート,あるいは中国などに
進出する企業に対する審査,融資,決済など。
他にも,保険サービス,運輸サービス。
製造業の中国進出に際して,
いろいろなサービス産業が関連してくるわけですから,
これによって中国へ進出する需要が増えてくることになります。


■アジアを九州へ呼び込む
もう1つは,入る方ですね。
一番簡単なものには観光客があります。
今は韓国と台湾からの観光客が大部分を占めていますが,
これからは中国の人もどんどん入ってくるだろうと思います。
しかし,現状では日本に来るアジアの人達は
ほとんどが東京とか関西へ行こうとする。
九州は我々が思うほど知名度が高くないのです。
九州としては,アジアの観光客を
もっと増やすために九州の地名度を上げなければならないし,
いろんな仕組みを考えなければならない。

観光客が増加すれば,
ホテルや地場の観光関連ビジネス,
おみやげ品,食品業,運輸,電車,バス,タクシー,
宅配便等が増えるし,銀行も両替や融資とか,
広範囲にビジネスチャンスが関連してきます。
これらを積極的に取り込むかどうか,
どんどん推進するかどうか。それができれば,
九州のサービス業や非製造業の企業も
アジア,中国の需要を取り込むことが出来るだろうと思います。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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